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前回のBROOKS 「Ghorst Max 2」と立て続けで、もう一足スニーカーを購入しました。
はじめに、おさらい。
僕がスニーカーを買う際に、自身へ課しているマイルール。
- インライン・モデルであること
- プレミアがつくようなハイプ系スニーカーは面倒なので避ける
- 上記に紐づき、レアではなく、商品展開期間中ならいつでも買えること
定番以外のモデルを買う場合の “努力義務” として
- 人とカブりづらい、できるだけひねくれたものを選ぶ
- 日本用のモデルではなく、海外企画もしくは世界でも同時に展開されているアイテム
そして、新しく追加した
- 最新のハイテク/ランニング・モデル
上記に適合するアイテムを買っています。
まとめると、「ベタでいつでもどこでも買えるもの」 か、もしくは正反対に 「認知度と注目度が低いひねくれモデル」 。もしくはその両方の要素を兼ね備えたもの。
とても両極端。これまで取り上げてきたスニーカーを見てみても、我ながら大きくブレてはいないなと思います。
もうひとつおさらい。
いま勢いのあるのスニーカー・ブランドといえば、「New Balance」 「On」 「Salomon」 「HOKA」 「asics」。
ハイプ・スニーカーのブームも落ち着き、投資アイテムとしても陳腐化が甚だしくなってしまった現在。新興ブランド台頭の裏で、シーンの圧倒的リーダーであるNIKEはもちろん、adidas、PUMA、Reebok といった従来の人気シューズ・メーカーが、揃いも揃ってイマイチ元気を無くしてしまっている印象があります。二次流通でとんでもないプレミアがついているなんて話も、トラヴィス・スコット以外ではとんと聞かなくなってしまいました。
しかしそれらは、先述のマイルールを課している自分にとっては何の影響もないどころか、かえって好都合かもしれない。だってある意味、トレンド・アイテムがなくなり、もしも欲しいものがあったら、どれも争奪戦に巻き込まれることなく簡単に買えるようになるかもしれないんだから。
ただしそうなると、おかしな捻じれが生まれてきます。
僕はひねくれていることを命題としているので、それほど人気や知名度がなくて、あまり話題にならないブランドやモデルに敢えて注目しています。
しかし、昔はファッションでは外野的ポジションにあったはずの New Balance や asics、そして新興ブランドがどんどん人気となり愛用者が増える一方で、明らかに “人気を落しているブランド” があるわけです。
はい、そうですね。繰り返します。
NIKEです。
てなわけで買っちゃいました。
■ Air Max Dn
この「Dn」が発表され初めて目にした瞬間に、エアマックスでは一番好きだった「1」を抜いて、シリーズ史上最も好みのデザインだと直感。2番目に好きな「97」のデザインをベースに踏襲しているであろうところにも好感が持てました。
さらに、最新版の Dynamic Air(ダイナミック エア)ユニットにより、レビューでは「これまでのエアマックスで最も履きやすい」という声が多数。そもそも “AIR” というクッショニング技術がすでにレトロなものなので、エアマックスというシリーズ自体が基本的にはアスリートではなくストリート向けモデルというイメージはあるものの、日常レベルで充分な履き心地となれば俄然興味も湧きます。今の自分には一番重要なポイントですからね。
しかし発売直後こそ、キーヴィジュアルとなった限定カラー「オールナイト」と、需要の高いオールブラックは即完売したものの、その他のカラーにまでは人気が波及していない様子。いつまでも在庫が残っている状況が続いていました。
やっぱりNIKEの人気は急激に落ちていて、過去のモデルをベースにしたコラボくらいしか話題にならないんだなと実感せざるを得ませんでした。
すぐに購入には至りませんでしたが、チラチラと在庫状況は気にし続けていたところで、後続カラーも多数リリース。完売していたオールブラックも在庫が復活。加えて、即完売したキーヴィジュアル「オールナイト」のエアユニット部だけ色を変えたブラックベースも、いつの間にかインラインとしてラインナップされてるじゃありませんか。
それなのに、どちらのカラーもすぐ完売することはなく、オンラインでもNIKE STOREでもサイズ欠けすることなくたくさん売られている。
てことは……ですよ。
「こんなにカッコイイのにさほど人気が無く、注目度も低くていつでも買える状況」となれば、それって完全に僕の守備範囲じゃないですか。
というわけで、これまで僕の信条的には一番遠いところにいたはずのNIKEで、しかも、ブランドを代表するAIR MAXのフラッグシップ・モデルであるにもかかわらず、奇しくも僕のひねくれマイルール(=内規)に合致することになってしまったのです。
サンダル以外でNIKE買ったの、15年ぶりくらいかもしれん……。
カラーは先述した、キーヴィジュアル・モデル「オールナイト」のインライン版。
前回の記事でも書いたとおり、流行に乗って今年から取り入れ始めたオールブラック。そして、個人的に差し色としてよく使うピンクとパープルも採用されている。まさかの、色までも完全に僕仕様。
「オールナイト」ではエアユニットがピンクだったのですが、コーディネート的にはむしろこの無色のほうが断然使いやすいですね。
気になる履き心地はというと、履きやすくはあるけれど、正直、New Balance の「1080」と BROOKS の「Ghost Max 2」には遠く及びません。所詮はエアというローテクな技術の限界かと思います。
しかし。このルックスの良さはさすがNIKE。ファッション性という点においては、他ブランドをまったく寄せ付けない圧倒的なアドヴァンテージを誇っています。こんな革新的なデザインは他のメーカーには到底無理でしょう。
自分の中では、唯一のハッタリが利く一足……といったポジションです。
NIKEの威信をかけた最新モデルがこんなにも世間からスルーされるなんて、90年代のハイテクスニーカー・ブームを経験した者にとって、悲しいのか、はたまた「ざまあみろ」と思えばいいのか、なんとも複雑な気持ち。
でも、「これまでのシリーズ史上断トツでかっこいい!」と思った自分の気持ちに嘘はありません。自分が良いと思ったものが世間では不人気。なんともひねくれ冥利に尽きる話ではありませんか。
出番もそれほど多くないかもしれません。クラシックな服装には合わないでしょうから。
とはいえ、リリースされてからずっと見惚れていたデザインです。普段なら批判するような「履かなくても見るだけで満足する」という楽しみ方をしてみてもいいのかもしれません。一時は投資対象とまでされたNIKEなんだしね。
ちなみに自分、10月に誕生日だったんです。なので2足も買ったってわけ。
必要なものではなく “欲しいもの” と考えると、やっぱりスニーカーしかない。もうこれは性分ですね。やめられるもんじゃないです。
なのでこのままずっと、“正解” には至ることなくあれこれと欲しいものを買っては、「あれは良い」 「これはもうダサい」と言い続けてる気がします。それはそれでまた一興哉と。
それでは、また。