美瑛編(73):札幌(17.8) : 散歩の変人

美瑛編(73):札幌(17.8)

 それではホテルの部屋に戻りましょう。途中にあった「丸美珈琲店」でインスタントのドリップ・コーヒーを四つ購入し、店員さんに地元資本のパン屋が近くにないかと訊いたら「どんぐり」を紹介してくれました。しかし残念ながら開店前。
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 せめてセイコーマートがないかな…ない。せんかたない、ファミリーマートでパンを購入して部屋でいただきました。なお山ノ神は『知らなかった、ぼくらの戦争』(アーサー・ビナード編著 小学館)を読み終えたようで、こんな一文を紹介してくれました。

 2016年5月27日、オバマ大統領が広島を訪問した際、ぼくは地元のテレビとラジオの特番に解説者として出演していた。大統領の「広島演説」の同時通訳も仰せつかった。
 一般にはあまり大きく報道されなかったが、大統領は当日の午後、まず山口県の米軍岩国基地に入って時間をふんだんに使い、海兵隊員を褒めたたえつつ垂直離着陸輸送機のオスプレイを大胆に宣伝する演説を行った。それから自分専用の安全性の高いヘリコプターに乗り、周りに四機のオスプレイをはべらして、派手な五機編隊で広島市内の空港へ飛んできた。
 「核なき世界をめざす」という触れ込みの訪問でも、実体はアメリカの軍需産業の訳有り品のセールス・プロモーションかと、ぼくは生放送が始まるころからすでにげんなりしていた。
 ただ、周りはだれもオスプレイPRに拒否反応を示さず、特別なにもいわない。
 平和記念公園に到着したオバマ大統領は、資料館を数分見学したあと、慰霊碑のそばで献花、つづいてスピーチを行った。その間じゅう、同行したスタッフに「核のフットボール」を持たせていた。つまり、核弾頭のミサイルを発射するために大統領の命令が必要であり、発射コードや手順書や発射指令装置などの一式が黒い鞄に仕込まれていて、それを俗に「核のフットボール」と呼ぶわけだ。噂には聞いてはいたけれど、爆心地にそんな代物を持ち込む姿勢に、ぼくはアメリカ人ながらあきれた。(p.218~9)

by sabasaba13 | 2023-08-22 07:31 | 北海道 | Comments(0)
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