そしてタクシーは両津の町に到着、北一輝の生家の前でおろしてもらい、写真を撮影。さらに若宮神社でもおろしてもらい、北一輝と北昤吉兄弟の顕彰碑を撮影しました。なおこの碑に関しては、前述の『北一輝』(渡辺京二 ちくま学芸文庫)に詳しい紹介がありますので、長文ですが引用します。
昭和44年に建てられたもので、表に一輝と昤吉のレリーフがはめこまれ、裏には安岡正篤による碑文が刻まれている。碑文の内容についても、お世辞にも似ているとはいえないレリーフについても、私は刺すような悲哀を感じた。だが、それはいうまい。この碑は国が建てたものでも、両津市が建てたものでもない。彰徳碑保存会と称するささやかな地元の有志たちが発意し、苦労して金を集めて建てたものである。そしてこれは、そのような善意にふさわしく、厭味なところのない、あえていえばつつましい記念碑なのである。しかし、秘かな北の敬慕者のひとりである私には、一輝が昤吉とならんで記念され顕彰されている事実がたえがたかった。両津、あるいは佐渡との一輝の関係は、結局こういうものでしかありえないのだ。むろん、故郷とそむきあうのはあらゆる思想家の運命であるだろう。だが、一輝が昤吉と名をならべてのみ建碑の対象となりえたということほど、佐渡と一輝の関係を露骨に示す事実はないように思えた。そして今夜の塒、天の川荘でおろしてもらい本日の旅程はこれで終了。運転手さんに丁重にお礼を言い、料金を支払ってお別れしました。チェックインをして部屋に荷物を置き、すぐ近くにある両津カトリック教会に行ってみました。白亜の清楚な教会で、解説板によるとフランス人宣教師ドルワールによって1879(明治12)年に創設されましたが火事で焼失、1887(明治20)年にド・ノアイ神父によって再建されたものです。設計は、多くの教会建築を手がけたパピノ神父によるもの。それでは宿ちかくをぶらついて夕食をいただくお店を物色することにしましょう。「しらつゆ」という日本料理屋に入ったら満席、「源八」という洋食屋があったので、こちらでメンチカツ定食をいただきました。本当は海産物系の食事がしたかったのですが、思ったよりも料理店が少なく妥協してしまいました。そして宿へと戻りシャワーを浴び、さきほど購入した佐渡の地酒「北雪」を呑みながら、フェリーのターミナルでいただいた観光パンフレットを拝読。 おっ「長岡系ショウガ醤油」「燕三条系背脂」「巻系割りスープ付き味噌」「新潟系あっさり醤油」という「新潟四大ラーメン」があるそうな。すべてとはいかないでしょうが、一つくらい食してみたいものです。さあ明日は新潟に戻り、市内観光と洒落込みましょう。 本日の三枚です。
by sabasaba13
| 2014-06-11 06:39
| 中部
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自己紹介
東京在住。旅行と本と音楽とテニスと古い学校と灯台と近代化遺産と棚田と鯖と猫と火の見櫓と巨木を愛す。俳号は邪想庵。
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