制服の性差撤廃 那覇高が選択制導入 3学期から LGBTや利便性に配慮 - 琉球新報デジタル

制服の性差撤廃 那覇高が選択制導入 3学期から LGBTや利便性に配慮


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 那覇高校は3学期から、性別に関係なく、ズボンやスカートなど制服を自由に選べる制服選択制を導入する。LGBTなど性的マイノリティーへの配慮や利便性を理由に挙げる。制服選択制の導入は沖縄県内では2校目。学ラン、セーラー服使用校では全国的にも珍しいといい、関係者は「制服で悩む子どもたちが前向きになれれば」と期待している。

 文部科学省は2015年以降、学校現場に対し、性的マイノリティーの児童生徒らへのきめ細かな対応を求めている。制服に関して県内では「申し出があれば配慮する」との学校が多い中、18年4月、ブレザーを着用する浦添高校が制服選択制を導入した。

 那覇高も18年春から検討を開始。同年11月末、全校生徒を対象に実施した制服選択制に関するアンケートでは「賛成」が7割を超え、「反対」はわずか3・6%だった。

 合わせて「ズボンを履きたい」などと複数の当事者が記入しており、3学期からの導入を決めた。

 同校によると、これまでの男子の学ランを「ズボンタイプ」、女子のセーラー服を「スカートタイプ」と呼び、どちらでも選択可能とする。申告は不要。防寒対策や機能性などの理由も認める。

 各種調査によると、LGBTは人口の3~7%とされる。宮城勉校長は「どの学校にも制服の問題で苦しんでいる子がいると思う。制服選択制は時代に沿ったもので、これで楽になる子が一人でもいればいい」と話す。7日の3学期始業式で、全校生徒に宮城校長が説明するという。

 自身もゲイで、性の多様性について講演活動を行う竹内清文さん(41)=豊見城市=は「親や教師に自身の性を相談できない子がほとんどだ。事前相談が要らない点が画期的」と那覇高の決断を評価。「性自認とは異なる制服着用を強要され、不登校になる子もいる。伝統ある那覇高から他の高校、続けて中学校にも選択制が広がってほしい」と期待を込めた。
 (真崎裕史)