パチスロ台の液晶を割られて出禁対応した話
緑ドンVIVA!情熱南米編。
5号機ではかなりのヒット作でしたよね。
その前の、緑ドン(ドンちゃんがチャイナ服着てるやつ)が人気だったこともあり、非常にイメージの良い状態で登場することになりました。
そして、説明不要のあの面白さと、あの出玉力が兼ね備えられればヒットしないわけがありません。
ご存知の通り今作は、歴代5号機の中でもベスト5に入るかと思われる大ヒット作となりました。
新装開店で事件発生
その日は、遅番勤務だった。
当時、主任だった私は事務所で作業していた。
時間は夜の8時だった。
内容としてはどこにでもある事務作業である。
そして、その時は設定入力という業務を行っていた。
それっていうのは、スロットの設定値が記載されている帳票を見ながら、その設定値をホルコンに入力する業務である。
例えば、スロットの台番毎に数値を入力する項目があるので、
設定6に打ち替えた場合には「6」
設定1に打ち替えた場合には「1」
据え置きの場合は何も入力せず
設定1から設定1といったように同一設定に打ち替えた場合には「1R」
朝一出目などを作っり、高確を残した設定1の台に関しては「1M」
以上のように、入力するわけである。
R=リセットの意味
M=モーニングの意味
さらに、それがパチンコの釘調入力の場合には、直接ヘソゲージの値を入力することとなる。
例えば、12.00とか11.50とかそんな感じ。
そして、確変を残したり、朝一出目の台で釘をアケたりした場合にはゲージの数値のあとに「M」と入力していた。
ちなみに、朝一出目の台で釘をアケたりというのは、
例えば海物語で、朝一液晶内にジュゴンがいたら釘をアケてますとか、そういうイベントをやっていたのである
で、こういった作業をやっていた最中に、事務所にインカムが入った。
「クロロ主任!お客様が液晶を割りました!!」
「うあああああ~~!
マジかよ~~。」
と思った。
その日は、店長と副店長が不在だったので、最高責任者は私だった。
それだけに、これは厄介なことが起こったと思った。
仕方がないので、その後あわててホールに下りると、スロット新台コーナーの島で作業着姿のゴツい男が立っていた。
そして、スタッフから、その男が割ったとの報告を受ける。
その後、近くにあった新台緑ドンの筐体を確認すると、液晶にヒビが入っていたのである。
「うわあああ。
こいつ、やってくれたな。1日10万売り上げる新台になんてことを・・」
そのようなことを思いながら、私はそのゴツい男を連れて事務所に上がった。
出禁対応
その後、男に応接室に入るように伝え、私はまず上司に報告することにした。
これはどこの法人でもそうだと思うが、ホール内で何らかの事件が起こった場合には、まずは上司に報告しなければならない。
その時の店長は、身内で不幸があり九州の実家に帰って喪主をやっていた為に、一週間近くの特別休暇を取っていた。
その為、何かあったら副店長である雨夜に電話するように言われていた。
つまり、その一週間の間は雨夜副店長が店長代理の役割を担っていたわけである。
ちなみに、その副店長は超絶パワハラ上司であり、私からすると大嫌いな人物であった。
その為、正直電話で話したくもなかったのだが、流石にこういった場合には店長代理である責任者に連絡せねばならない。
私はすぐに副店長へと電話を掛けた。
・・が、10コールほどしたのだが、電話には出ない。
そして、店長代理に電話が繋がらないとなると、次に電話するのはその上司であるエリア長となる。
私は小豆エリア長に電話することにした。
「もしもし?」
どうにか、エリア長に電話が繋がり一安心した。
その後、事件の一部始終を伝えると、小豆エリア長からは
「今から向かうから、とりあえず、警察に電話して念書を書かせておけ」
という指示を受けた。
その後、警察に連絡すると、数分後に警察と小豆エリア長が店舗に駆けつけた。
そして、液晶を割った男の身分証を確認し、
「二度と系列店には足を踏み入れません。液晶台は弁償します」
といった念書を書かせた上に、写真を数枚撮影した。
(写真は系列店に一斉送信される)
男の年齢は21歳だった。
作業着を着たどこの店にもいるガテン系のあんちゃんである。
駆けつけた地元警察には、
「なんだ、また何かやらかしたんか!」
みたいな感じでいじられていたので、以前にも何かで警察のお世話になったのだと思われる。
その後、警察が男の家に電話をすると、20分後に母親が駆けつけて来た。
見た目は、比較的若く見える母親だった。
40代前半くらいか。
その後、母親からは平謝りされた。
「うちの息子がすみません!申し訳ありません!」
その数分後に警察は帰った。
刑事事件には発展せず、出禁&弁償というだけで、その場は終了となったのである。
そして、再度、母親に謝られた後に、母親と息子はそのまま帰ったのだが、店から出た瞬間に母親の顔が豹変した。
「この!バカ息子が!!」
店から一歩、外に出た瞬間、怒号と平手が飛んできたのである。
これには、私と小豆エリア長も苦笑いしてしまった。
雨夜副店長が遅れて駆けつける
その頃、雨夜副店長から折り返しの電話があった。
液晶を割った客がいて警察を呼んだということを告げると、そのまま店に飛んできたのである。
「すみませんっ!」
遅れてきた雨夜副店長は気まずそうに声を発した。
そりゃそうだろう。
何かあった際に連絡する店長代理である雨夜副店長に電話が繋がらずに、代わりに小豆エリア長が店に飛んできたのである。
まあ、私にしてみれば雨夜副店長には憎しみを抱いていたのでいい気味だった。
ちなみに、その数日後となる給料日に、出禁になった男は液晶代を封筒に入れて店に持ってきた。
記憶は朧げだが、7~8万くらいだったと思われる。
一方、液晶は翌日発注して、交換~解放したのだが、警察検査後の解放となるので、結局一週間近く台を止めることになってしまい、それが店舗にとっては最も大きな痛手となった。
おそらく、当ブログを読んでいる業界関係者やユーザーの皆さまであればこういうった現場に出くわしたことはあるのではないだろうか?
こういったトラブルは、最近はほとんどなくなったが、以前はちょいちょいありましたからね。