すでに確実に適用されている海外の国では、各所で話題(というか苦情が多いですが…)になっている「Panda/Farmer(パンダ/ファーマー)アップデート」
どうやったら抜け出せるんだ…と悩む方も多いようです。
その中で、トラフィックを回復したよ!という記事もでてくるようになりましたので、今回1つご紹介します。
※ITmediaで書いた以下の記事のリライトです。
▼【実例】パンダアップデートで順位が下がってしまった時の対処法:
国内・海外情報から見える『企業のWEB活用法』:ITmedia オルタナティブ・ブログ
パンダアップデートとは何か?
パンダ・アップデートとは、一言でいうと
「良質なコンテンツのランキングが上がるが、質の悪いコンテンツはランキングが下がる」
というものです。
質の悪いコンテンツとは
- サイト全体としてみて、オリジナルの内容がないページ
(他のページのコピーコンテンツであったり、商品紹介ページなどでありがちな、ごく一部しか違う部分がないページ) - 人気がないページ(リンクされていないページ)
- 広告の割合が多い、または位置が不適切なページ(広告がメインに見えるページ)
などを指しています。
パンダ・アップデートに関しては、たくさんのブログで内容が紹介されているので、ここでは改めて深く触れることはしません。
どういうサイトが影響を受けるのか?
自覚がなくても順位が下がることも…
こういう「質の悪いページ」は、意図して検索エンジン対策をした結果そうなってしまっている場合もありますが、意図せずそうなってしまっている場合も少なくありません。例えば…
商品個別紹介ページ
例えば、ECサイトで商品紹介ページが、どれも個別ページは商品名と価格など以外同じ、ということは良くあります。
最近は、こういった個別の商品ページが検索結果に現れることが多く、ユーザもその方が便利と感じていますから、こういった個別詳細ページの順位が下がることは結構なダメージです。
意図せぬ重複コンテンツ
また、いくつかのサイトを持っているとありがちですが、同じ内容のコンテンツを複数の場所に書き出す仕組みになっていることもあると思います。
そういったものも、コンテンツを重複させてたくさん作って、サイトのボリュームを水増ししている、といった捉え方をされて、サイト全体のランキングが落とされる原因になり得ます。
人気のないページの存在
また、サイトの中に、全然外からリンクを張られていない、つまりは人気のないページがたくさんあると、サイト全体の評価を下げられてしまい、結果として他のサイト内ページのランキングが下がってしまいます。
このように、自覚していなくとも、システムなどの関係でパンダ・アップデート後には順位が下がってしまう可能性が十分にあります。
ランキングが下がってしまったらどうしたらいいのか?
実際公式にパンダ・アップデートが導入されてランキング(順位)が下がってしまったらどうしたらいいのでしょうか。
Googleは公式に「こうしたらいいですよ」というコメントは残していません。
※良いコンテンツにするためのガイドラインはあります。
▼Googleの考える「良いコンテンツ」ガイドライン
そこで、SearchEngineWatchの記事から、すでにパンダ・アップデートが導入された米国から、パンダによって下がってしまった順位をリカバリーできた例を2つご紹介します。
▼Google Panda Update Recovery – Search Engine Watch
もし同じような事態に陥ってしまったら、この手法を参考にしてもらうのが良いのではないかと思います。
PandaUpdateに引っかかるとどうなるか
アクセス数の謎の現象という形で現れます。
例えば二つ目の例としてあげる「DaniWeb.com」では以下のように、急激にアクセスが落ちました。
アクセスが落ちた原因を探って、それが検索エンジン経由のアクセス減少なら、パンダ・アップデートの可能性があります。
※もちろん他の原因の可能性もあります
ランキングが落ちる以前に何かSEO関係の策を打った場合は、そこをまず疑ってみるべきです。
改善例1:家具の小売店「OneWayFurniture.com」
このサイトは、オンラインで家具の小売りサイトです。
https://www.onewayfurniture.com/
サイトを見て頂けると分かりますが、ひたすらに商品の個別ページがたくさんあるサイトです。ECサイトとしては珍しくない姿かもしれません。
しかし、恐らくその「ほとんど変わらないページがたくさんある」ということが原因で、このサイトは全体的に順位を落としてしまったようです。
その際に施した策が
- 今までバックリンクを頼んでいたSEO会社をやめた。このSEO会社は質の低いリンクサイトからたくさんリンクを張っていたため
- それぞれの商品紹介ページについて、専門のコピーライターを雇って、ただの製造元のデータだけを載せている状態から、各ページオリジナルの、そのトピックに合わせた、それなりの分量の記述を追加した。この文章は、文法等のミスをちゃんとチェックした(上位表示したいキーワードもちゃんと入れた)
- ページの読み込み速度を上げるために、GoogleのPageSpeedを使って諸処の改善をした。
です。これによって、完全にアクセス数が復活するところまではまだ行っていないようですが、かなり回復したそうです。
また、いくつかのキーワードで上位に個別ページが表示されるようになったとか。
大事なのは恐らく2番目です。重複と取られるような低質なコンテンツを改善したことが大きいと思われます。
1番目と3番目はパンダアップデートに限らずGoogleとしては常にウェルカムな修正です。
パンダアップデート特有のものではありませんので、直接関係はないと思われます。
2番目がパンダ的には決定打となり、1番と3番目がそれを側面支援した形になったのではと思います。
改善例2:ディスカッションコミュニティ「DaniWeb.com」
これは先ほどグラフで落ち込み具合を紹介したサイトです。アクセスが半分程度まで落ちています。
こちらは、対策としては
- 重複コンテンツを排除した
- canonicalタグを使って、URLを正規化した。
- 301リダイレクトの使い方を見直した
- 検索結果ページやタグクラウドなどのページにnoindexタグを加えて、インデックスされないようにした。
- ページの読み込み時間を改善した(先ほどのOneWayFunitureと同じ)
を行った結果、完全ではありませんが回復したそうです。
こちらもやはり、重複コンテンツの排除を、物理的な削除やリダイレクト、canonicalタグによる正規化によって整理し、サイト全体として質の悪いコンテンツを排除した結果だと考えられます。
中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから