来る (2018) 568本目
出演:
野崎和浩役 岡田准一
田原秀樹役 妻夫木聡
田原香奈役 黒木華
比嘉真琴役 小松菜奈
比嘉琴子役 松たか子
津田大吾役 青木崇高
監督:中島哲也
お勧め度★★★★☆
この映画はトレーラの時点からかなり気になっていた!
とにかくキャストが豪華!
ホラー映画ってともすれば本当に3流映画になってしまうのだけれど、ここまで一流のキャストを集めてたら、そりゃあ、上質な映画に仕上がるはずだよ・・・
でも、それ以上にやっぱり怒涛のストーリー展開、これに尽きますな。
子供と妻と暮らすサラリーマン田原秀樹の身に、ある日怪異現象起こり始める。
それは自分自身だけでなく、周りの人間を巻き込み初め、その理由が地元に伝わる伝説にあるのではないかと思い始める。
友人のつてでオカルトライターの野崎和浩とキャバ嬢の比嘉真琴に出会い、怪奇現象の解明を依頼する。
いやぁ、本当にただただ、
キャスト豪華!!大事な事だから二回言いました
主役級の俳優たちがバッタバッタと死んでいきます。
なかなか見ごたえのあるホラー映画です。
この映画は第22回日本ホラー小説大賞にて大賞を受賞した澤村伊智の「ほぎわんが来る」を原作とした映画です。
私、こちらの小説を読みました。
と、いうのも、なんだかちょっと映画のストーリー展開に納得がいかず、原作ってどうなってるのかな?と気になったから。
映画を見てから原作小説を読みました。
なので、より映像として小説を楽しめました。
結果、結構映画と違う設定の部分があって、特に映画のクライマックスと小説のクライマックスが異なっています。
映画はやっぱりエンターテイメント性を重視していて、とっても壮大な除霊大会のシーンがあり、それはそれで鳥肌ものです。
ここは映画でやっぱり欠かせないシーンなんだろうなぁと思う。
ただ、常にホラー映画で気になるのが、その「事象」の原因。
結構ホラー映画はそこんところが適当になってて、「とにかく怖ければ良い」とか「事象に理由とかはない」というパターンが多い。
実際怪奇現象、っていっているんだから理由がなくて当然なんだけれど、私としてはそこを映画でちゃんとストーリーに組み込んでいるという流れの映画が好きだし、面白い!って感じる。
所謂「謎解きホラー」が好きなんだよね。
ただ、この映画では
ほぎわんが、何かとか、なぜこんな現象が起こっているかとか、はっきりと説明がありません!
でも、小説ではちゃんとそこんところ押さえている。
なんで映画ではそこんとこ、適当にしちゃったんだろう?
一番大切なところだし、めちゃくちゃ面白いところなのに。
正直、小説で怪奇現象の理由を知って怖さ倍増
あー、本当にもったいない、この映画。
ついでに結末もかなりモヤっとしました。
後味は悪くないんだけれど(むしろホンワカ演出により、癒されて終わる)、なんか、惜しい!
映画は3部構成になっていて、田原秀樹の話、田原加奈の話、そして野崎和浩の話と続きます。
ここんところは小説と一緒ですが、田原加奈の話は結末が小説とは違っていて、そこもちょっと「え?」となった。
おそらくその理由としては、映画はもう、ほぎわんが何かとか、そういう事はどうでも良くなっていて、とにかく「すごく怖い事」に立ち向かっていく人達と、そして本当に怖いのは人間なんだよっていうテーマだけを寄り道せずに追いかけていっているのだと思う。
ある意味、無駄をそぎ落としているのだけれど、そこ、本当に惜しい。
大事なところもそぎ落とされちゃった
オカルトライターの野崎役に岡田准一。
最初、あまりにも存在感がなくて岡田君とは思わなかった。
結局主役って彼なのかな?
最初のストーリーのメインキャストである田原秀樹役に妻夫木聡。
とにかく秀樹の屑っぷりがスゴイ
いちいち言うことカンに触る。
そして妻夫木聡がこの彼のウザイ軽さを上手に演じている!
頼れるお姉さん役に松たか子。
でも、ちょっとこの役は松たか子のイメージじゃないんだよなぁ。
クールだけど、天然っぽい感じのイメージなんだよね。
松たか子はちょっと優等生過ぎる。
でも、安定感はピッタリ。
彼女が出て来たらなんだか安心しちゃう。
不思議な力を持つキャバ嬢に小松奈菜。
可愛い、ただただ、カワイイ
私は彼女を「渇き。 (2014)」で見て、その悪魔的魅力に引き込まれた!
(しかも中島監督作品)
そして「恋は雨上がりのように (2018)」で、まったく真逆の魅力に取り込まれた!
今回もなかなかクセのある役です。
っていうか、中島監督、妻夫木聡と小松奈菜と松田たか子好きすぎでしょ
そして田原の妻役に黒木華。
彼女がメインの中盤で子育てと仕事に追われている姿を見ていたら、なんだか泣けたよ。
幸薄感が素晴らしい。
そして子供にイライラしちゃう感じも共感しすぎて辛かった
他にも本当にすごいキャストが勢ぞろい。
スーパーのマネージャーで伊集院光とか、霊媒師役で柴田理恵が出てきた時はちょっと冗談かと思ったけれど、実にいい味出していたわ。
この映画、面白かったと共感する人がいたら教えてくださいな。
見ごたえ十分の映画ですが、映画の後に小説を見ると、映画で語られていない真実を知ることができて、2倍、いや、5倍くらい面白くなります。
いやー、惜しい!
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