検察側の罪人 (2018) 402本目
出演:
最上毅役 木村拓哉
沖野啓一郎役 二宮和也
橘沙穂役 吉高由里子
監督
原田眞人
お勧め度★★★☆☆
私はそんなにキムタク好きというわけではないけれど、
若い時にキムタクを見て、「こんな美しい人がいるなんて!」と感心してしまったことはあります。
あの時代にドラマではかなり話題作に出演していたけれど、
映画でこれといって代表作がない彼。(私の意見ですが)
さて、これが代表作になるのか?!
東京地検の検事・最上毅と同じ刑事部に、元教え子、沖野啓一郎が配属された。
沖野は老夫婦刺殺事件の容疑者、松倉重夫を取り調べる事になる。
そして松倉はかつて最上がかかわった女子中学生事件の関係者でもあった。
松倉に固執する最上に疑問を持ち、やがて検事を辞めることになる沖野。
事件の真相と最上の意図とは?!
検察側の罪人とは誰のことか?!
老夫婦殺しの容疑者の中で浮かび上がった松倉という男が、昔最上(キムタク)がいた寮の女の子を殺した容疑者と一緒だったというところから、
少しずつ最上の歯車が狂い始めます。
もともとなんとなく、学生時代のこの事件がきっかけで最上は「悪いやつには絶対に罪を償わせる!」という強い意識が生まれたのかも。
でも、それが真実から目を背けさせる結果になるとは…。
この映画はサスペンスかと思いきや、事件の謎解きなんかは全然ありません。
どちらかというと人間ドラマなんだろうな。
そこがちょっと残念。
検察なんだから、最上の過去や交友関係なんかは簡単にわかりそうなもんだし、
それなのに、最上の詰めが甘すぎてちょっとヒヤヒヤする。
そういう楽しみ方はできるけれど、もう少しひねって欲しかったなぁ。
最上が昔の事件に固執する理由もいまいち。
殺された女子の事が好きだったから?それだけ?
もう一つのエピソードとして、最上の友人という人がどんな困った事になっているのかもあまり語られず、だけどすんごいことに巻き込まれている様子
そして、その奥さんと周りの人が「トリック」を思わせる異様な集団で、映画の中でかなり浮いています。
そこがまたバランスとしてはかなり危うい。
笑ってしまっていいのか、真剣に受け取るべきか。
っていうか、「泣き女」とかアレ、なんだったんだろう。
そういう、本筋とは関係ないように見えるエピソードがいくつかあって、それがいったいなんのためにあるのか、いまいちわからなかった。
しかも二つの事件が同時に起こっているように見えて、片方(友人のエピソード)については全く掘り下げないという演出も疑問。
そっちの事件も「なんだかすごい事」みたいに表現されているので、いつか明かされるとワクワクしていたのに…。
わかる人にはわかるってことか?
それでもこの映画が高い評価を受けるのは、ストーリーというより、役者なんだとおもう。
まさに役者頼みの映画!
個々の役者の存在感は素晴らしいです!
ストーリーどうでもよく、入り込むことができれば、演技を堪能できるでしょう。
ただ、入り込めないとなんとなく寒い…。
キムタクはただただイケメンの役よりも、こういうダークな役のほうがあっているかも。
最上というキャラクターは検事としてはかなり優秀みたいだけれど、バツイチ子持ちの妻と結婚していて、今や夫婦関係は完全に冷え切っている。
こういう完璧じゃないところもいい。
そしてこの妻…誰かに似ている…
あれ!工藤静香に似ている!(顔ね)
と思ったのは私だけかね?
それと、ドラマでは自然体を意識しすぎて台詞が聞き取れないことがよくあるんだけれど、この映画ではそういうことはなく、
こっちのキムタクはとてもハマッていました!
ところで最上がコレクションしているガベル(木槌)。
確かにアメリカの裁判ドラマではガベルをバンバンたたいているけれど、日本では見たことがないね。
日本では使われていないようです。
「なぜ使われていないか」って映画で問いかけていたけど、答えてた?
聞き逃したのか語られなかったのか?
日本でガベルが使われない理由は、裁判自体が書類をベースにしていて静かだから(アメリカみたいに陪審員に芝居がかった演説をする必要もなかったんでしょう)、
という理由と日本では「発声」によって判決が下されるので、ガベルの代わりに裁判官が発声した時点でその役割を果たしている、といことみたい。
どうなんでしょ?
とにかく、今は使われていないみたいね。
この映画の好きなところは役者の演技とそれと、
美味しい食事!
検事ってこんないいところで食事してんの~?
食べ物が美味しく撮られているの映画が好き。
この映画、面白かったと共感する人がいたら教えてくださいな。
推理小説みたいな面白さを期待していると肩透かしくらうけど、映画としては見ごたえあります!
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