道路交通法の一部改正により今年6月、俗に言う「あおり運転」に対する罰則が創設された。とはいえ、あおり運転をするドライバーというのは「だったら止めます」と言ってくれそうな人たちなのだろうか? 報道などを見る限り、いささか不安ではある。
ならば自分の身は自分で守るしかない。ということで、走行中の映像や音声を記録できる『ドライブレコーダー(ドラレコ)』の売り上げが伸びているようだ。いざという時のため多くの人が「ないよりはあった方がいい」と考えていることだろう。
と、なれば気になるのは価格であるが、これが想像していたよりもかなり安い。ついには秋葉原で799円(税抜)のドラレコを発見してしまったが……本当に使えるのかな〜?
・アキバの老舗
私が今回購入したのは秋葉原を中心に展開する『あきばお〜』が販売する商品だ。お店の人に確認したところ、ドラレコを使用するうえで他に必要なのはマイクロSDカードのみ。メーカー等にこだわらなければ数百円で購入できるから総費用は1000円ちょっと、ということになる。う〜ん、安い。
( ※ 今年6月の購入時点での価格であり、現在は変動している可能性があります)
箱の中身は組み立て式の本体と説明書。
説明書に組み立て方が書かれておらず多少焦るが、よく見ると至極単純な仕組みだ。またドラレコを接続した状態でエンジンをかけると勝手に録画が始まるため、機械オンチの私にも難なく使用することができた。案ずるよりも何とやら、である。
・現場検証
車への設置方法も非常に簡単。
カメラに吸盤が付いており、ガラスに貼り付けるだけで完了だ。理論上はフロントガラス、リアガラス(後方のガラス)どちらにも使えるのだが……
シガーソケットから通電させる必要があるため、前方カメラとして使用するのが現実的かもしれない。ただコードはある程度の長さがあり、うまく処理すれば後方でも使えると思われる。最近よく取り沙汰されるのは先行車による「逆あおり運転」であるから、どちらかといえば前方カメラを必要とする人が多いのではないだろうか。
・問題発生
さて先に述べたように、エンジンをかけた瞬間から勝手に録画が始まっている。天気もいいし、気ままなドライブとシャレ込むことにしよう。
それでは発車オーライ!
ブブゥ〜ン……………………ゴン!
ありゃ! 発車5秒でドラレコが足下に転がってしまったぞ。おそらく吸盤の取り付けが甘かったのだろう。フロントガラスを拭いて再度トライだ。
ところが……
100回やってもダメっ…………!
ガラスの状態が悪すぎたという可能性もあるが、どう頑張ってもすぐに吸盤が外れてしまうのである。「吸盤 貼り付け コツ」と検索し、裏ワザ等を試すも上手くいかない。
仕方なくドラレコをテープで直接ガラスに貼り付けるという、超古典的な手法でこの日は乗り切ることとなった。なにせ799円だから許容範囲内ではあるものの、この問題が一番のネックとなりそうだ。
ただし走行中に関して言えば、その他特筆すべき問題点はなかった。カメラの手前にモニターも付いており、録画中の画面を確認できるのが素晴らしい。
カメラの角度や向きは細かく調整することができる。大きな衝撃を与えた場合は分からないが、普通に走行しているぶんには固定した状態がズレることもなかった。これで799円はスゴいんじゃないか?
・ちゃんと撮れてる!
帰宅後マイクロSDカードを本体から抜き取り、パソコンに繋げば録画した映像と音声を視聴できる。保存しないと勝手に上書き録画される仕組みのようだ。長時間録画したい場合は容量の大きいカードを用意するべし。
さっそく確認してみると……
おお、けっこうしっかり撮れてる! ウインカーの「カチカチ」という音や小鳥のさえずりまで聞こえるぞ!
ただし……街ゆく車のナンバーやドライバーの姿が確実に確認できるかというと……やや不明瞭かもしれない。
・この価格なら大アリ
また夜間の走行も日中と同様、文字などは若干読み取りづらいが、思ったよりは全然しっかり録画できている印象だ。
不幸にも当て逃げ事故などに遭遇した場合、「もっと性能のいいカメラにしておけば……」と後から思う可能性はある。ただ、そこそこのアクシデントであれば、ここまで録画できていればかなりの証拠になりえるはずだ。
今回の検証の結果……激安ドラレコは完璧ではないにせよ、その価格からは想像もつかぬほどの実力を有していた。初心者の入門編としてであれば、これで十分なんじゃないかと個人的には思う次第である。
秋葉原へ行けば数千円〜数万円まで様々な種類のドラレコが販売されている。事件や事故の証拠となるのはもちろんのこと、旅の記録として活用する人も多いとのこと。まずはお手軽なものから、試す価値は大いにアリだ。
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼テープ以外の方法はないものか……
▼設定も慣れれば簡単