シーズン最終戦。一発が出れば逆転の場面、おまけに伊藤大海の単独での最多勝がかかっていた打席で左腕・鈴木翔天の前にあっけなく三球三振に倒れ‥‥。
正直、この時点で江越大賀の命運は尽きたと思っていたが、CSではずっと一軍に帯同し、試合にも出場していた。だから今年の戦力外通告はナシなのだとばかり。
10回打席に立って、0安打の7三振‥。昨年以上にそのコンタクト率は悪化。盗塁も、試みた2回ともがアウト‥。まったく見せ場なく終えた2024年シーズン。本人も通告を受けてサバサバしていたというから、ある程度覚悟はできていたのかもしれない。
昨シーズン、襟付きの赤いユニフォームを着た試合でヒーローとなり『自分がいちばん似合っている』。そんなお茶目な面もあった江越だが、また別の視点でこの男はおもしろい。年末頃に放送される【戦力外通告】の番組、今の江越にはうってつけではないか。筆者がスタッフなら間違いなくプロデューサーに掛け合う。
まず、ドラマ性がある。起承転結で語れる点で江越は最適。ちょっと同番組のナレーション風味に綴ってみると......
【起】名門・駒澤大学からドラフト3位で阪神タイガースに入団。高い身体能力を活かし、一年目から1軍の試合に出場。2年目には4試合連続ホームランの離れ業を見せた
【承】しかし、その後打撃面で伸び悩み、試合出場数は激減。江越の主戦場は甲子園ではなく、二軍が本拠地を置く、嶋尾浜へと徐々に移していった
【転】8年目のシーズンを終えたオフ。江越に大きな転機が訪れる。新庄剛志率いる北海道日本ハムファイターズとの複数トレードだった。《移籍会見の模様》今までの監督とちがい、明らかに自分に期待をかけてくれている。燃えないはずがない。ふたたび江越が輝きを見せ始めた――
【結】《今季の不振》戦力外通告、オイ〇ックスで再起を期す
‥的な。お得意の家族シーンを収めなくとも野球だけで大層な物語になる。なり得る。TBSさん、江越マジお勧めです(笑)
(C)amazon オイ〇ックスならイースタンでも観れるから◎
江越の他に福田光輝と黒木優太に戦力外、安西叶翔には育成契約を打診した模様。
福田は二軍ではサッパリなのに一軍だと打つ不思議な選手。大阪桐蔭伝統の?フルスイングは気持ちよかったが‥。在籍一年退団した黒木。‥黒木がどうこうよりも、彼の交換相手に若い吉田輝星を出してしまったのが、やはり、惜しまれてしまう。
福田と交換した西村天裕しかり、そう考えてみると中日との間でまとめたトレード以外は、近年やや不発気味。ゆえに渡邉諒とのトレードで江越とともに阪神からやってきた齋藤友貴哉には一年でも長く、ファイターズでプレイしてもらいたいところだ。