近ごろは「傑作選」のほうが熱い今日この頃‥‥？
番宣も兼ねて、だいたい本編放送の一週間前くらいから過去作品を日中にお送りしているフジTV。前回は満を持して？版権にうるさかった、頃の旧ジャニーズ所属の木村拓哉主演【トイレの落書き】を送り出してきた同局なだけに、今回も期待を裏切らないラインナップ。【恐竜はどこへ行ったのか？】【迷路】は、いずれも狂気じみた登場人物がいて好きな作品だった。そして、迎えた本番‥‥23秋の特別編はどうだったのか。個人的な感想を書き連ねていく――
まずは、キムタクとはかつて盟友だった、草彅剛主演 【永遠のふたり】
‥コレさぁ、なんか全体ちょっと 浅はかじゃなかった？ または軽薄。ボタンを押したら時間が止まるという設定もそうだし、ふたりの骸骨を登場させてきたりの、あからさま具合よｗクールかつインテリな草彅は確かにサマになっていたが、ひとつ屋根の下の「あんちゃん」を彷彿とさすような少しマヌケな刑事役の江口洋介は、終始コメディ調でアンバランス‥。ラストも『そらそうなるだろうよ』の、何のひねりのないオチに落胆した視聴者も、さぞ多かったのではないか。
ぶっちゃけ、大物俳優ふたりの無駄づかい（笑）。笑わせたいのか、怖がらせたいのか、はたまた感動をさせたいのか『ハッキリせえ！』な、近年よく観られる典型的な駄作の一例。
画像はイメージ（C）amazon
お次は【地獄で冤罪】、主演は北村一輝。
この作品、なーんか腑に落ちないんだよねぇ‥‥放送からだいぶ経った今でもｗ 内容も解りづらく、非常に気持ち悪かった。筆者が予想していたのは、北村が事件の加害者側だった、あるいは被害者だった（すでに死んでいた）‥そうした「あるある」なラストで締めてくるのかと思いきや、そのどちらでもなくて。冤罪もなにも『主人公はまったく関係ないでしょ』みたいな？ なにかモヤっとした、ストーリー自体の気持ち悪さ（笑）。妙な小細工したりせず、もうちょっとストレートに攻めていっても良かったのではないか。
西野七瀬の【走馬灯のセトリは考えておいて】
‥例によって何の事前知識も持たずに観て、このストーリーこの設定『よく考えついたなぁ』と、甚く感心していたら、やはりオリジナルではなく原作が別にあったのかｗ
AIとかVチューバーとか「今風っぽい」単語をふんだんに交え『主人公の唯一の肉親が、実は〇〇だった』『高齢依頼主の意外な過去』などといった、次々明かされる新事実に食い入る。だが、いかんせん（短い）放送時間の関係もあってかパンチに欠けた。絵に描いたようなハッピーエンディングで、急転直下なオチも特になし。
放送順にして最後にあたる、4作品目【トランジスタ技術の圧縮】。‥毎回、毎放送感じるのだけれど、このオマケのような枠‥ いらなくね？
ジャンルとすれば、いちおう「コメディ」なのだろうが、正直そこまで笑えるネタ（ストーリー）でもなかったし。過去作品でいったら三浦春馬主演の【JANKEN】とか、あの手のクダラナサを前面に出したかったのだろうが、今回のは『トランジスタ？』『なぜに雑誌を圧縮する！？』などと、ジャンケンとはちがって、いまいち共感を呼びにくい設定。‥画面の前でポカンとしてしまった視聴者も、少なくなかったのではないか。
こうした一連の感想を受けて一句。近年の「世にも奇妙な物語」を小学校の遠足と説く。その心は‥‥‥‥
始まるまでが、いちばん楽しい《了》
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