爽やかスマイルで知識も豊富で、要領も良いイケメンエリートが恋人の前に現れて、
嫉妬したり、何も出来ない自分に落ち込んだりする…といった展開はラブコメディでは鉄板。
でも、今回は"相手がどんな顔をしているか分からない"という弱視ならではの設定を活かし、
本作らしさと王道が上手く絡められていた印象がありました。
緋山(小関裕太)が現れるたび、敵意をむき出しにする森生(杉野遥亮)。
相手のためを思ってやったつもりが、緋山に一歩上手の対応をされ傷ついてしまう森生。
私たちから見たらその時の反応は、マーケットで本格的に関わるよりも前から
かなり分かりやすいものなんだけれども…
ユキコ(杉咲花)は「(突然のライバルに嫉妬の炎を燃やしている事に対して)そんな訳ないよ」
「ないない」などと、そこまで深くは気にしていない様子。
あくまでも"いつもの"自分に真っ直ぐで素直な森生だと思っている。
ストーブの件は流石に直後の行為だったから気遣ってくれたけど、
森生が緋山を気にしているって分かっていたら、
2人だけの会話の最中で元彼の名前を出さないはずですもんね。
森生も森生で…些細な事で敏感になっちゃうのも共感出来るなぁ。
キャンディケインのくだりも、豆知識を披露すればそれはそれで楽しいだろうけど、
「へぇ」「そうなんだ」で終わって広がりにくい会話だし、
一緒に「何だろうね?」って想像を膨らませるから弾む事だってあるんだし。
カイロはどこでも温められて、しかも持ち歩きやすい文明の利器よ?
こんな感じで別視点で見れば、森生だからこその良さも伝わるんですけどね…
恋は日常世界を変えてくれるだけでなく、時に視野を狭めてしまうもので、
徐々に余裕がなくなっていく彼の姿には、見ていて切ない気持ちにさせられました。
でも、ユキコは決してブレない。
このまま勘違いでケンカに発展する形で引き延ばさず、
1話内で森生への想いをビシッと言ってくれたのは良かったです。
2人は固い絆で結ばれているのが伝わる説得力と安心感。
"森生と出会ってから出来た事"で今までの回想を走馬灯のように流す演出にも泣かされます…。
もっとわがままを言うとしたら、空(田辺桃子)と青野(細田佳央太)間での
ペアストラップのくだりは群像劇の一部で片付けるのではなく、
「黒川が大好きだよ」「どんな顔してるかは見えないけど、
自分を想って動いてくれてるのは見えてなくても伝わるよ」という意味合いで
ユキコと森生にも同じような事をやって欲しかった気もしますが。
まぁ、前回のお揃いのアクセサリーがあるし、将来的には婚約指輪も控えているので…
最終回までとっておくんだろうなって事で、そこはポジティブに受け止めておきます。
森生との関係は壊れる前に修復出来たものの、
まだユキコには"見えていない"緋山の本性は次回以降に持ち越し。
あの尽くす感じ…自分は普通の人だから幸せに出来ると自負している性格…
なんか、6話の空の「支えてやった元彼」と似たような匂いがするんですけど(汗)
こちらはただの悪者で終わらないと良いなぁ。
そして青野くんはとにかく心配。
クライマックスに差し掛かると事故が絡んでくるのも、あるあると言えばあるある。
でも、現状はホームドアが設備されていない駅の方がまだ多いから、
本作の場合は避けては通れないエピソードでしょうね…。
人身事故もよく耳にしますし。
次回の冒頭で何事もなかった事になりますように!
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