自分を守るため、誰かを守るため、
みんな懸命に素顔を隠して生きている。
そうして人の顔や心を鎧っていたものが、
ある時剝れ落ち、内側がむき出しになった時、
彼が疫病神と名付けたものが貌を持ち、
言葉を語る。
道化師(ハーレキン)たちを操ろうとする。
たから人には仮面が必要になる。
-ただ。
どうせ素顔を覆うなら、
笑顔で覆ったほうがいい。
(本文)家具屋が倒産し、全てをなくした東口。
ホームレスとして、川辺で仲間と寄り添う。
家具職人としての仕事を、ちょこちょことしながら、
日銭を稼ぎ、生活していた。
そんな東口には、後悔してもしきれない辛い過去があった。
息子の死、そして妻との離婚。
息子が死んだ時からか、いやもっと前からか、
東口の隣には、疫病神がいて、話しかけてくる。
いつしか、追い詰められたその先には、
いつも闇が待っていた。
細々と、家具の修理の仕事をしていると、
突如現れた謎の女・奈々恵。
東口の危機を救ってくれた。
ある時、妙な仕事の依頼が来る。
目隠しをされ、辿り着いた場所は、ものすごい豪邸だった。
そこの、備え付けの家具の修理を任せれたのだが・・。
トラックに隠れて乗り込んでいたホームレスの仲間と、奈々恵、
みんなで、家具を修理し始める。
しかし、何か様子が変だ。
危険な匂いが・・・・・。