手挽きのミル(≒コニカル式)を人力ではなくモーターの安定動力によりじっくり挽くといったイメージの商品なので、挽くスピードはプロペラ式の電動ミルに遠く及びません。ですが、プロペラ式は高速回転する刃にたまたま当たった豆だけが順次砕かれていく仕組みなので粒度が安定せず微粉も出やすく、個人的には最初から選択肢になりえませんでした。コニカル式のスピード感は長年手で挽いてきた経験から十分想像できたので、本品も全く遅いとは感じません。というか、思ったよりもずっと早かったなという印象です。
外部からダイヤルで粒度を調整できるのはすごく便利。今回とりあえず25で挽いてみましたが、このくらいだと粒度がとても安定していました。普段はもう少し粗く挽いているので次回は30前後で試す予定ですが、粗く挽くほど粒度は不安定になりがちなので、その辺で何か感じるところがあればまた追記したいと思います。
お手入れは簡単。使用後すぐに流水でホッパーと粉受けの大まかな汚れを洗い流し、ホッパーのセラミック部にスプレー式中性洗剤をシュッと吹きかけコーヒーを淹れている間放置。その後スポンジで簡単に洗えるところのみ洗うだけです。手挽きのミルもこの方法で長年清潔に使えています。干す前に水気をよく切り、通気性を良くするためホッパーのダイヤルを一番粗いところに合わせます。本体は豆と接する部分をアルコールでさっと拭くだけで問題なさそう。
一番気になるのはモーターとバッテリーの耐久性ですが、こればかりはしばらく使ってみないことには分かりません。ただ、こちらの商品は初期不良に限らず1年間交換対応してくださるそうなので、その点も購入の大きな決め手となりました。
この手の商品に共通する個人的な不満は、ホッパー、粉受けのサイズが小さいものしかないことです。500mlのサーモスにコーヒーを淹れるため一度に35gの豆を挽きたいのですが、本品の場合、中深煎り豆をホッパーに目一杯詰め込んで約29gの豆しか入らず(カタログ値25gよりは多く入る)。粉受けは挽いている途中で揺すって平らにならせば35g分は優に収まるサイズだったので、自動停止後にホッパーに残りの豆を追加するだけで済んだのは幸いでした。が、忙しい時間帯にこの手間は少々億劫なので、一度にもっと多くの豆が挽ける少し径の大きなサイズもあると良いなと思います。