同じシリーズに「音響学入門」というのがあり、そちらが多岐にわたって書かれていて、程度も必ずしも低くないので、この本はそれへ向けてのさらに入門書かと思いきや、立派な理系の本でした。
想定されている読者がどんなそうなのかよくわかりませんが、難易度や数学的扱いはちょっと中途半端な印象を受けました。学生の需要としては、もっと基礎的なことがきちんとわかる本が求められているように思います。そのためには、高校の数学や物理レベルから復習しながら、基礎をきちんと押さえていくか、文系学生のために数学的扱いを最小限にしながら、音/振動現象の本質を解説していくようなものが求められていると思います。