NHKの新プロジェクトXを見て著者の服藤さんに興味を持ち購入。読後、いかに著者が凄い頭脳の持ち主かがよくわかった。科捜研に入所するときに受けた採用試験で2番目の成績だったこと、あの後藤田さんと知り合いだったことにも驚かされた。オウム事件で、サリンの製造をオウムが行っていたことを科学的に立証した。
またサリン製造の責任者だった土屋正美と面会。完全黙秘を貫く土屋に対し、著者はサリンの合成の化学式を何度も書いて、土屋しか知らない化学式を見せ、彼を自白に追い込んだ。サリンの化学式を記憶だけで何通りも書ける著者は凄いとしか言い様がない。土屋自身も「警視庁には凄い人が居る。これでは黙秘していても駄目だ」と思わせた。土屋も科学者として凄い人物だったことがわかる。こんな人物が、道を外してしまったことは残念だ。以降、著者は科学調査官として幾多の難事件を解決していく。
読み続けていると、著者が「いかに自分が優れていたか」を書き記しているようで、それはそれで鼻につく感がしないでもないが、実際凄い人なので仕方ないだろう。
このような素晴らしい方が今後も警察社会で頑張っていただきたい。