NHK大河ドラマとしては、平安時代、平安貴族を真正面から取り上げるのは初めてと言って良い。この時代より古い時代を描いた作品としては「風と雲と虹と」があるが、この作品は平将門という勃興してきた武士階級の朝廷に対する反乱を描いており、下層階級(庶民)の描写が主で、平安貴族(朝廷)の描写は少なかった。
主人公となっている紫式部(ドラマではまひろ)は「源氏物語」の作者として有名だが、その生涯は殆ど分かっていないので、ドラマの内容は架空のものと言って良い。もう一人の主人公格藤原道長の方はある程度史料があるので、そこは歴史ドラマ的に描いている。しかし、全体的に言えることは、ドラマの舞台(背景)は平安時代絵巻だが吉高由里子他出演者(特に女性たち)は現代的で、当たり前だが現代語で語るので、まるで平安を舞台にしたトレンディドラマ(恋愛劇)を見ているようだ。特にまひろと道長の月夜の下での逢瀬のシーンは、大河ドラマとはとても思えず、映像的にも美しい恋愛映画の1シーンを見ているようだった。それを見てこのガイド本を買いました。