45年ほど前に伊藤和夫先生の名著「英文解釈教室」を熟読して以降、もう読めない英文はないと思った。ところが、ここ最近の入試問題では手に負えない文によく出会うようになった。本書を読んでその理由がわかった。我々の教わってきた英語は「軽量化された英語」であるということ。つまり、英語海の中の辻褄の合う、説明しやすい、ごく一部だけを教わってきたということ。だから、もっと「素顔の英語」に目を向けよう、が著者の主張。目から鱗が何枚も落ちる名著。ただ、内容が高度だけに読者は限定される。まず、学校でならう文法は完璧にしてほしい。本書を手にするのはそれから。