文字通り馬祭りでした。そしてハルガル三人衆の嫁とり物語でもあります。ロシアの脅威を前に、ハルガルが弱体化して草原の守りに空白域ができては困る。そのための同盟の意味合いでもあります。
アゼルは性格が悪いわけではないですが、寡黙で率直すぎるので、どんな成り行きになるかと思いきや、ぴったりとしたお相手となりました。価値観の一致は重要です、はい。超絶実力主義、馬至上主義、人間はその次と、素晴らしい相性です。まさか、アゼルの女性版というか、アゼル以上に振り切れたお相手が現れるとは。想像のはるか上をいっていました。いや~、この方が一人で嫁いでも、何が起こるかわかりませんから(布仕事や料理はできるのか?)、三人セットが無難です。さすが娘を知るお父様です。
また、このお相手であるジャハン.・ビケに、あのアゼルがかなり入れ込んでいるようです。とある場面では、本人を前にアゼル的最大の賛辞の言葉を贈っていました。そうして、二人がかっこよく決めた後、ページをめくると・・・アミルにすべて持っていかれました。恐るべし破壊力でございました。
実に豪華絢爛で充実した一冊でした。大満足です。次巻も楽しみです。