湯島から火が出て、「ぜんや」のある神田花房町も消失。只次郎は菱屋に、お妙は升川屋に仮住まい。産み月の近かったおえんは、夫の実家で姑と共に暮らし、生まれた娘の疳が強く姑に気を遣っている。火事の後、心が折れてしまったお妙。今で言うPTSDの症状。只次郎が、手に入れた卵で、卵がゆを作りお妙に食べさせる。お妙は両親が焼死した時のことを思い出す。焼死ではなく刺された後に火をつけられたのだった。新たな謎に立ちすくむお妙。「ぜんや」再開は成るのか。只次郎とお妙の想いは果たしてつながるのか。各章の冒頭の装画が趣深く印象的。