ここ5年ほどのあいだに出版された翻訳書、天才バカボンパパのセリフ、“ーーだ!、ーーなのだ!“でもある大学紛争時代のゲバゲバ、アジテーション押し付け口調が氾濫(カントなどの哲学書にまで使われるているのには呆れ返る)し、尚且つ、DeepL以下の翻訳日本語レベル。為に興味の湧いた海外の本は、2、3倍ほど時間がかかるがほとんど英語(原書)で読むようになった。唯、老境の真っ只中、現役時と違って英単語のかなりの部分が頭から消え去っているような感じがしたので、ちょっとまとめて軽くおさらいとチェックをしようかと言う気分で買ってみたのが評判の良いこの本。結論から言うと、この本のレベルの単語(大学初年級レベル)は問題なく覚えていた。つまり、私的にはチェック以外殆ど役に立たなかった。
しかしながら、受験英語に罹患した普通の大学初年時の学生諸君には実用上結構役に立つのではないかと思う。例文に対する発音は良くも悪くもUS西海岸の発音、かなり滑り(ヌメリ)がある。ただ、東海岸のアメリカ語やイギリス英語は結構クリアなのでこの滑りに慣れてしまえば、そちらの方も特に問題はないかと思う。即ち、海外でコミュニケーションを取るに際してはなかなかの内容ではある。一方、ちょっと難しい原書を読むに際しては、もう少しレベルが上のS. I. Hayakawa氏らの、“Choose the Right Word”などを根気よく読み込む方が良いと思う。
最後に、私と同じぐらいの年代の方々に一言ご注意。この本、A5サイズではなくB6サイズ。その中に単語、例文がぎっしりと詰め込まれている。つまり、活字がかなり小さい。昔のコンサイス英和ほどでは無いが、ハッキリ言って例文の活字などはそれほどの差はない。幸いにも私は読書用メガネをかければコンサイスも読めるのでそれほど痛痒は感じなかったが、購入に際しては実際に書店で手に取って確認された方がいいと思う。これが星ひとつ減点の理由。