とある由縁で、江戸を出奔、許しを請う旅に出ていた南町奉行所の元隠密廻り同心・伊坂八郎兵衛。立身流の秘剣・豪撃が悪党を乱れ斬る、剣豪放浪記第2弾。
*
伊坂八郎兵衛は、廻国中に行き着いた加賀金沢で、武家の妻女から、「夫の利き腕を折ってほしい」と頼まれた。冨田流小太刀を遣う夫の上川兵馬を、御前試合に勝たせるわけにはいかないという。涙ながらに訴える志乃に、心ならずも兵馬の右肘を外してやった八郎兵衛だったが、なんと戻り道で闇討ちされー。半死半生で真相を探ってみれば、兵馬の妻はすでに死んでいるうえ、御前試合には莫大な金が動いており、腐れ藩士が謀略まで企てていると知れて。。。
*
第1巻に続き、本巻も1日で一気読み。泥臭く、かつかつで生き、女に弱い、でも強い八郎兵衛。ただ、よく斬られてケガる(笑)。そんな危なっかしいキャラクターに親しみが持てますね。
また、八郎兵衛がめぐる北陸地方の名所案内も結構面白かったですね。
-----
■本書の基本情報
・筆者:坂岡 真(サカオカ シン)
・略歴:1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。その作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは驚異の7ヶ月連続刊行で話題となる。
・発行:小学館
・発売:2019年10月
・ページ数:363p
■これまでに購読した坂岡真作品
・「鬼役」…第27巻まで
・「鬼役外伝」
・「死ぬがよく候」…第1巻まで(本書)
-----
◆AFP情報 … ジャンル:本・雑誌・コミック、料率:3%