100万人を超えたうつ病患者。これまで「心のカゼ」と呼ばれ、休養を取り、抗うつ薬を服用すれば半年から1年で治ると考えられてきましたが、現実には4人に1人は治療が2年以上かかり、半数が再発するといわれています。
その背景には、治療が長期化している患者さんの多くが、不必要に多くの種類や量の抗うつ薬を投与されていたり、診断の難しいタイプのうつ病が増加していることが専門家から指摘されています。
こうした中、薬の処方を根本的に見直す取り組みや、難しい診断を一目でできる技術の研究が進んでいます。09年に放送され大反響を呼んだNHKスペシャルの書籍が、新書としてリニューアルされます。親本はロングセラーになりました。
番組が提起した問題はいまだに解決されていません。うつ病治療の前線に迫る出色のドキュメンタリー。