学生時代に強烈な印象を残した古文であった『徒然草』を改めて読み直したくて、この概略本を手にしました。
当時は随分斜に構えた人だなあ、いろんなとこマニアックに見てるなあといった印象でしたが、著者の言う「何者でもない人」だった故に、バランス感覚に優れたジャーナリストであり得たとする説明には説得力がありました。
人間突き詰めれば衣食住の為のみに生きている。名誉や恋愛、物欲、人間関係などは全て虚飾であると。今の時代にそこまで身軽に生きて行くことは不可能に近いが、兼好流「身軽な生き方」は、閉塞感漂うこれからの人生に於いて何がしらかの参考にはなるかと思われます。