ーー 幻の名作、時代は違えど染み入る心象風景ーー
【 昭和の高度成長期の日本が舞台、
青い壺を巡る色々な人の人生物語。】
ー
熟練の陶工の手によって生まれた砧青磁の壺は、譲られ売られ、はたまた盗まれ、ときには海を越えて、幾多の人々の手をわたっていき
そのときどきの持ち主や周囲の人間模様を、滑らかな陶面に映し出していく ーー
ーー 派手な展開を期待しがちな現代、
モノだけではない機微の豊かさに触れ
モノに頼り 調子よく合わせていきる今の貧しさが表れるような気がしてくる内容
ーー
ーー
私が特にグッときたのは・白内障の母と娘の話 、
老いて目が見えなくなった母親を引き取り 寄り添い合いながら暮らす千代子; ーー 実体験と重なりキュン
ー & ー
・女学校の卒業から半世紀、弓香は同級生たちと久しぶりに京都で集まる ーー 離れる時期を経て再会する女性達はいつの時代も・・・
ーー
ーー
一話一話はショートストーリーだが、
コミカルさの中に社会問題がぶすっと刺さってきたりほっこりしたり
濃縮内容を40代で書いた有吉佐和子さん やっぱりスゴイ !