畳の部屋に座って障子越しの陽を浴びているようなほっこりと温かな気持ちになれました。
この詩集の著者、柴田トヨさんは99歳。90歳でも恋をするのよ、夢を見るのよという詩に本当に感動しました。
わたしより40歳も年上のトヨさんの詩が、どれも前向きで明るいこと、そしてしなやかな感性に溢れていることに大きな驚きを感じ、今の自分への癒しとともに、未来の自分へのエールをいただいたような気がしました。
読み通すだけなら多分30分ほどしかかからないと思いますが、ふっと微笑んだり、目頭を熱くしたり、さっき気になった詩にまた戻って行ったりしながら読んでいると時がたつのを忘れてしまいます。
トヨさんは90歳で詩を書き始めたそうです。その年齢まで生きていられるかどうか、それがまず課題ですが、それはそれとして、年を取るっていうのもなかなか悪くないと思わせていただけるような、長生きして年を取った自分を見てみたいと思わせていただけるような、そんな詩集でした。