下知識が無いと楽しめないかもしれないし、知識があったとしても好みが分かれる作品だと思える。
まず、いちいち今時使わない方の漢字を使用していて、調べたりして読むのに時間がかかる。→歎息なんて漢字も嘆息と書いてあればつっかえないのにあえて歎の字を使う。指揮も指麾なんて漢字で書いてあって、、、例を上げればきりがないほどだ。勉強になることは間違いないが。
演義が好きな人は盛り上がりのなさに嫌気がさすかもしれないので、まずは何進、董卓、袁紹、曹操、孫堅がようやく出てくるこの3巻を読んでみて、自分が宮城谷三国志を受け入れられるか試した方がいい。
物語中に話がよく前後するので興が覚めやすいし、先の展開を前もって書いてあることで物語としての楽しみは薄い。
しかし、三国志をさらに知りたいという人ならば十分価値のある貴重な小説である。
まだ三国志の物語を知らない人は、横山光輝のマンガで簡単に楽しんだ後にコーエーの三国志シリーズ(シミュレーションゲーム)で遊んだりしてから小説を読むと格別に面白いものになるのではないかな。