事態は急展開!!
とまではいかないけれども、確実に次の段階へ進んだと思わせてくれる第5巻です。
前半は、ゲジヒトの過去を知らしめてくれるエピソードであり、後半にはこのマンガそのものの抱えている問題(と言うのをテーマと言うのでしょうが)に迫るエピソードが描かれています。
もとが手塚治虫の「鉄腕アトム」の1挿話なので、ついそちらと比べてしまいますが、表現には40年の差がありながらテーマは変わっていないということに気づかされます。もっとも浦沢がこれを描こうとした時に意図していたことでしょうから、テーマが変わっては意味がないのですし、同じテーマを浦沢がどう表現するかこそが、このマンガの最大の注目点であり、魅力になっているところだと、改めて思います。
そして、ウランが出てきて、伴俊作が出てきて、お茶の水博士が出てきて、天馬博士が出てきて、という楽しみも十分味あわせてもらえるのが、このマンガのもう1つの魅力だというのも改めて思います。
某サイトでは賛否両論のある付録ですが、今回の"RETURN"完全版(?)は、本編とも若干関係ありそうなテーマを持った浦沢の初期作品の完全版と言うことなので、前巻、前々巻よりも楽しめました。
それにしても、あとどんな付録をつけてくれるのでしょうね。本編が完結した時に、実は付録の意味も新たにわかるという気もしないではないのですが。