「賢帝」マルクス・アウレリウスの後半の治世とその息子にして最悪の「愚帝」コモドゥスの物語。
「哲人皇帝」の異名を持つマルクス・アウレリウスは世界史でも善政をしいた皇帝と教えられますが
塩野さんの手にかかると功罪両面がえぐり出されて非常に興味深いです。
その息子コモドゥスは救いようのない愚かな皇帝と学者たちに断罪されていますが
塩野さんは何とか弁護できる点を見つけて書いてはいます。
しかし「ローマ帝国オタク」(と言っては失礼かもしれませんが)の塩野さんでさえ
彼の治世の大半は「弁護できない」と書いてもいます。よほどひどい治世だったのでしょうね。