モノトーン写真に意味深な細工がなされていて最高にいいですね。表紙を捲ると小さな像の大いなるイエス様とデカイ面の小悪魔・西原理恵子さんのガチンコ対決!これは影響力の強さでも読者限定なら圧勝という高見からの余裕の笑みなのか?裏表紙にはカバーを捲ると満面の笑みの故・鴨志田穣さんが隠れている!これは生の元旦那さんの姿への照れなのか、隅々をちゃんと見てくれた人だけへのお得なのか…本編内に鴨さんの御遺影が何故か一枚も無かったのがヒントなのでしょう。しかし、これには寄り添う老夫婦(?)と後に死別する距離のある若い元夫婦(!)との対比が隠されていることに気付くと悲しくもあり…。正直、鴨さんの出現(の他の本)から最後までを懐古するためにシリーズではこれだけを購入したのですが、もちろん他の小話も楽しく拝見しました。想像ですが破天荒な行動力で野良(国際フリー・ジャーナリスト)で人知れず生涯を終えてしまう恐れを抱いていたであろう鴨さんが、西原さんとにより世への存在意義を示すこと(主張と子供)がちゃんと達成できたから、最後に描かれている”あの”何とも素晴らしい感謝の言葉が出たのでしょう。この心は昨今の大国日本では真っ当な人でも困難となっている…。最後に鴨さんの安らかな御冥福をお祈りいたします(と言っても「それは無理」ときっと天国で苦笑いをしているのでしょう)。