トム・クルーズ主演で映画化されるとのことで興味を持ちました。
ロバートAハインラインの「宇宙の戦士」の雰囲気をたたえた、かなり硬派で乾いた印象の作品です。
文体も、過分なくらい海外SFの邦訳を意識している気配。故意にステレオタイプ臭を漂わせ「海外本格SF風」を狙っているのかもしれません。
一方で、これがラノベの強みか、背景や、設定、描写、各所にわたって大胆にそぎ落とされています。
余計な描写や枝葉がないので、非常に物語を追いやすい。
たとえば、タイムループの種明かしももったいぶることなくサクッとされます。
それでいて、ラストにいたるカタルシスにはなんともいえないものがあります。
人によってハッピーエンドとバッドエンドと評価が分かれそうです(私はハッピーエンドと感じました)。
余談ですが、先日、映画版の予告編のロングバージョンを見ました。
トム・クルーズ作としては、宇宙戦争やオブリビオンあたりのトーンでしょうか。
いづれにせよ、原作のあの淡々とした世界観が、なにやらゴージャスになっていましたよ。
ただしヒロイン(というには語弊がある気も…)を演じるエミリー・ブラントの銃を担ぐ姿が全然サマになっていなくて涙。恐ろしい戦闘能力を持つ戦場の女神のはずなんですが・・・あうぅ。