横山裕演じる狩野の“愛”が炸裂 『コタローは1人暮らし』が気づかせてくれた“小言”の温かさ

『コタローは1人暮らし』

 親やまわりの大人からの“小言”を、「うるさいなぁ」と感じた経験はないだろうか。筆者も、狩野(横山裕)のように、「大人たちだってできていないくせに!」とつい歯向かってしまったことがある。そのたびに、「大人はいいの!」「言われたくなければ、はやく大人になりなさい」なんて言われるから、余計に腹が立ったものだ。

 もしもあの頃、『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』(テレビ朝日系)のように、小言の温かさに気づかせてくれるドラマがあったら。「たしかに俺は、ちゃんとしてないダメな大人だ。でも、自分のことを棚に上げてでも、言わなきゃいけない。それが、大人の役割なんだ」と教えてくれる大人がそばにいたら。あんなにウザったいと感じていた小言を、素直に“ありがとう”と受け入れることができたのかなぁ……なんて思った。

「実の親だとか、一緒に暮らしてるとか関係なしに、大人には言わなきゃいけないことがあるんだ」

 第4話は、狩野のコタロー(川原瑛都)への愛を改めて感じた回だった。大人だって、子どもに嫌われるのは怖い。できることなら、「あの人優しい」と思われたいし、甘やかせるのならそっちの方がラクだ。だが、狩野はコタローにガミガミと小言を言う。帰りが遅くなった時は、「さすがに遅くないか?」と理由を問いただすし、「宿題はやったのか?」「おやつを食べすぎるなよ」「はやく寝なさい」などウザがられそうなこともどんどん言っていく。

 その愛に包まれているうちに、コタローはどんどん甘えられるようになってきた。帰りが遅くなった時、わざと少し大きめな音を出して階段を登っていたのは、狩野に「遅いぞ」と小言を言わせるためなのかもしれない。言われたら言われたでウザったそうな対応をするくせに、狩野が出てきた瞬間のコタローはちょっぴり安心したような顔を見せるのだ。

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