『ムチャブリ!』空回りする雛子に大牙が痛烈な一言 気になる松田翔太演じる浅海の過去
「皆さんがいてくれたから、皆さんが私を社長にしてくれているから、ここまでやって来られているんだと気付きました。一人じゃなくて、皆さんと仕事がしたいです」
子会社社長・高梨雛子(高畑充希)が“良い社長”になろうとするがあまり、向き合うべき相手も自分自身のことも見失い、社長っぽくないという“彼女らしさ”まで失いかけてしまった『ムチャブリ! わたしが社⻑になるなんて』(日本テレビ系)第5話。
雛子は“良い社長”の定義を“誰にも頼らず何でも自分で決める頼り甲斐のある存在”としたが、それは時と場合によっては“ワンマン”にも“独りよがり”にもなりかねず、非常に危険な発想だ。雛子は何か完全に勘違いしてしまっているようだ。
レストランのチェーン展開のためには“圧倒的体験によるクチコミ拡大”が必須だと考えた雛子は、“日本列島フレンチフェア”と題し、47都道府県の特産品を使ったフレンチメニューを提供するイベントを思いつく。しかし、どこかに内通者がいるのだろう、前話のワイン仕入れ元の取引停止に加え、今度は野上フーズが同じコンセプトのイベントを企画していることが明らかになる。「社長の仕事は決断すること」という浅海社長(松田翔太)の受け売りで、雛子は“らしくない決断”の連続を見せ空回りし始める。
野上フーズに出し抜かれないようにイベントを1週間早めると言い出し、食材の調達が間に合わない中でのこの雛子の決断に、社員から反発が起こる。そんな中、遂に野心家で優秀な若手部下・大牙涼(志尊淳)からも痛烈な一言を食らわされる。
「俺たちのこと信用してないってことですか。だったら一人でやったら良いじゃないですか? そんなんじゃ誰もついていきませんよ。俺も今のあなたにはついていきたくない」。当然の反応だ。
行き詰まった末に、なんとライバル社の野上フーズに乗り込み食材を分けてもらう雛子に「あなたが今、向き合うべき相手は誰なんですか?」と本質的な質問を投げかけ、目を覚まさせたのも他でもない大牙だった。
焦りも募り、自力で何とかしなければと思うあまり、周囲に頼れず勝手に自分一人で抱え込みすぎてしまったり、孤立してしまったり……ということは、社長でなくとも組織において(もちろん家庭内でも)周りと協業する中で誰にだって起こり得ることだ。しかし、雛子が立派だったのは、冒頭の通り、自身の誤りに気がついた時に素直に皆に謝り、協力を仰げるところだろう。極論、リーダーというのは一人で何事も完結できる必要など全くなく、それよりも気持ちよく周囲を巻き込み、相手に「あの人が言うなら仕方ないかぁ~、手伝ってやるか」と思わせる素質があることの方が重要なのかもしれない。宮内(荒川良々)も雛子のことを「こちらが支えたくなる不思議な魅力ある社長」だと評していた。