2019年最大のブレイク候補、森七菜がついに覚醒! 『3年A組』すべての登場人物が繋がり始める

『3年A組』森七菜がついに覚醒!

 澪奈(上白石萌歌)のフェイク動画を依頼した犯人、武智(田辺誠一)が警察に任意同行を求められ、すべてが解決したと思われた中、柊(菅田将暉)は生徒にこう告げる。「目的は金でもなければ犯人を捕まえることでもない」そして、「これからが本番。明日になればわかる」。日本テレビ系列日曜ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』は2月24日に第8話を迎えたものの、いまだに“終わり方”の見当がまったくつかない。

 柊と生徒たちが共犯関係に転じてからの第2章では、クラスの内部ではなく外の世界との繋がりが顕著に現れるようになった。フェイク動画を作った半グレ集団、柊が以前働いていた撮影所や相楽親子と事件との関係性。そして柊に協力していた五十嵐(大友康平)に迫る郡司(椎名桔平)であったり、武智のバックにいる政治家。すべての登場人物、事柄が何らかの接点を持ってつながるという、あまりにも大きな群像劇が形成されようとしているのだ。それでもまだ、柊の真のねらいなど大きな謎が横たわったまま、特撮ヒーロー登場という(まるでNHKの『トクサツガガガ』のようだ!)まさかの幕切れで、いよいよ次週から最終章に入るというわけだ。

 とはいえ今回のエピソードは、物語自体が劇的な進み方を見せなかったなりに重要なものになったのではないだろうか。それは「自習」という名目の中で、3年A組の生徒たちが普段のような生活を取り戻すことで垣間見せる、高校生らしい表情だ。里見(鈴木仁)をめぐる女子生徒たちのやりとりなどの恋模様であったり、腕立ての回数を競う男子生徒であったり。ふと見返してみれば、これまでフォーカスが当たらないどころかほとんどセリフがなかった生徒、立野(森山瑛)や浅見(若林薫)、柳本(高尾悠希)らも含め、29名ほぼ全員に何らかのタイミングが与えられていたように思える。第1話から怒涛の展開の連続で忘れかけていた、このドラマが“学園ドラマ”であるという紛れもない事実を改めて感じることができよう。

 そういったストーリー展開の中で、フィーチャーされた2人の生徒役の俳優は実に大きなポジションを担っていたと見える。例の“澪奈が死ぬ直前を映した監視カメラ動画”の解析を担当した“電脳部”所属の2人だ。西崎颯真を演じている今井悠貴は、子役時代から様々なドラマや映画で活躍しており、3年A組の生徒役の中では涼音役の福原遥よりも長い芸歴を持つ大ベテランだ。本ドラマの中核テーマである「ネットに晒されることで人生が一変する」ということを身をもって理解し葛藤し、柊から受けた教えをクラス全体が体現するきっかけを作る。それだけの大きなポジションを担う演技を任せられるというのは、やはりそのキャリアの信頼度の高さに他ならないのだろう。

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