≠ME、夢を叶えた初の日本武道館ワンマン ファンへの深い感謝と愛情を抱いて次なるステージへ
指原莉乃プロデュースのアイドルグループとして2019年にデビューした≠MEが、初の武道館ワンマンという夢を叶えた。
今回のワンマンは、3月31日に行われた4周年コンサートでサプライズ発表。本公演は、翌月22日の福岡公演を皮切りにスタートした『≠ME全国ツアー2023「We shout "I am me."』のファイナルに位置づけられ、ワンマンとしてはグループ最大キャパとなる。武道館公演は6月29・30日の2DAYSとなったが、両日ともにチケットをソールドアウトさせ、あわせて1万6000人を動員。会場いっぱいに集まったファンたちと“約束の時間”を過ごした。ここでは、2日目、6月30日の公演の様子をレポートする。
武道館におなじみの「Overture」が鳴り響くと、これをきっかけにメンバー全員が登場した。そのまま披露された「≠ME」では、ステージ後方のモニターにメンバー一人ひとりの顔が大きく映し出され、“12人全員が武道館のステージに立っている喜び”を会場全体で共有。ラストのサビ前のファンによる「好きだーー!」コールにも熱がこもった。以降は「秘密インシデント」「ポニーテール キュルン」などが続き、序盤は主にメンバーの甘い歌声とカラフルな衣装が映える、王道アイドルソングで固めていたのが印象的。会場には、力いっぱいのコールやガチ恋口上が響き渡った。
ユニットパートとなった中盤は、しおみる(永田詩央里&本田珠由記)による「2時半ろけんろー」からスタート。キックボードを乗り回すキュートな演出で観客を沸かせたかと思えば、続く「薄明光線」では冨田菜々風が映像とリンクした華麗なダンスでグッと引きつけ、蟹沢萌子、櫻井ももとの3人でのパフォーマンスへ。白のワンピースを翻し、クールかつダイナミックに歌い舞った3人に大きな拍手が上がった。その後は、演歌のようなこぶしがアクセントとなった「ウルトラレアキッス」(尾木波菜、菅波美玲、本田)、甘々な「サマーチョコレート」(鈴木瞳美、谷崎早耶)でかわいく決め、「ピオニーズ」では真っ赤なドレスに身を包んだ蟹沢と冨田が情熱的に愛を表現。「こちらハッピー探検隊」では、サファリルックの落合希来里、河口夏音、櫻井、永田、本田が“イリュージョン”で観客を「ええーーっ!?」「嘘だろ!?」とひとしきり驚かせた。曲が変わるごとに、会場内全体の空気も一気に変えていった彼女たち。ここまでギャップ満載のセトリになったのも、それができるという自信の裏づけだろう。初の武道館ワンマンにも一切動じない、12人のパフォーマンス力と度胸を大いに見せつけられた時間だった。
さらに、ダンスパートを経て立て続けに披露された「天使は何処へ」「P.I.C.」「チョコレートメランコリー」では、序盤の王道アイドルとは一線を画するクールな≠MEを凝縮。時にステッキなどの小道具を使って軽やかに舞い、時に鬼気迫るほど鋭く踊り、観客の興奮を煽った。誤解を恐れずに言うならば、「本当に同じグループなのか」「オープニングで“王道アイドル”の姿を見せていた12人なのか」と一瞬疑ってしまうほどに、3曲それぞれの曲にどっぷりと浸らせた。初の武道館ワンマンに動じないどころか、さらに洗練されたパフォーマンスを観せた彼女たち。日々の鍛錬で身につけた曲への深い理解やメリハリのついたパフォーマンスで、観客の心を揺さぶり続けた。