紫式部 女房たちの宮廷生活
紫式部 女房たちの宮廷生活/福家 俊幸
2023年11月15日/264ページ
目次:紫式部を知る――生涯と人間関係 女房とは何か――平安時代貴族女性の社会進出 『紫式部日記』の世界 宮中で広まる『源氏物語』
源氏物語の作者とされている紫式部について、その生まれに始まり、結婚、宮廷生活、物語の創作などの視点から、彼女の生涯を描きます。
ほぼ同時代の清少納言や和泉式部らへの辛辣な論評など、勝気な性格にも言及。
宮中において最初は自分のことを出さないように努めていたといいます。
おのれの才をひけらかさないように過ごすことで、次第にまわりの女房達に受け入れられていったらしい。(78ページ)
いかに物語創作の才があってもそこは保守的な世界であり、まずは他人と同じことを示す必要があったのかもしれません。
宮中に入るということは、伝統的なその世界を肯定しなければならなかったのでしょう。
この時代の「日記」について。
平安時代の仮名で書かれた日記は一定の 読者 を想定して書かれたと考えられることが多い。(123ページ)
たしかに現代とは異なり、文字で残すという行為はそれなりの労力が必要であり、したがって自分以外の何かのために日記を書くということはあり得るでしょう。
一定の時間が経過した後で、回想 して書かれている(124ページ)
これも他人が読むということを意識したものでしょうか。
もし、日記が忘備録であれば、すぐに書けばいいわけですから。
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Re: No title
No title
ReadingBooksさま
「紫式部 女房たちの宮廷生活」は未読です。
「必読書」は、リストにして、順次読むようにしているのですが、この本もその中に加えました。
貴重な情報を有難うございます。
「紫式部 女房たちの宮廷生活」は未読です。
「必読書」は、リストにして、順次読むようにしているのですが、この本もその中に加えました。
貴重な情報を有難うございます。