メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略
メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略/西田 宗千佳
2022年12月18日/239ページ
目次:現状(可能性が広がりつつあるメタバース デジタルツインとメタバース) 拡散(ゲームから始まる「原初的メタバース」 教育やビジネスに広がるメタバース) 課題1(「自分の周囲5m」のジレンマ 視覚以外にも広がるVR) 課題2(ネットの向こうを「身近」にするために メタバースを前提とした社会構造に必要なもの) 未来(それでもメタバースはやってくる)
10年後までにメタバースが本格的なビジネスとして立ち上がり生活の一部になると予想する筆者が、メタバースがどのように立ち上がり、生活に必須のものになる時期をどのように迎えるのかを解説した本です。
企業研修用でメタバースを活用し、例えば工場内であれば危険な行為を「身をもって」学ぶことなどに活用できるそうです。
VRのもつ「自分でその方向を見て、操作しつつ体感する」という要素は(略)1つの産業となった、といっていいだろう。(92ページ)
なるほど、実際の危険をバーチャルな危険で体験するというわけですね。
ケガなどの心配もなく、安心して危険なこともできそうです。
しかし、それならば本番の作業自体をバーチャル環境にしてしまえばいいのでは?
「メタバース万歳」的な本も読んできましたが、その点この本は幾分異なります。
現時点ではまだ出来上がっていない。ビジネス上の難点と技術上の難点 がある(略)(120ページ)。
特に技術上の難点を2パートにわたって解説しています。
このように欠点などマイナス面が書いてある書籍は信頼に値します。
街角では監視カメラなどを設置するなどして人の動きを把握していますが。
メタバース内を動き回れるということは、自分の動きをコンピュータの中に データとして蓄積 できる、ということでもある。(212ページ)
メタバースでは逆ですね。
メタバースの「街」に入ることによって、自分の動きなどのプライバシー情報を提供してしまうことになります。
そのため逆の作業、プライバシーの取得を利用者に納得してもらう作業や、取得したプライバシー情報をあえて手放すなどの作業が必要になるのですね。