退職のタイミングはいつがベスト?やめる何ヶ月前に会社に話すべき?
最終更新日:2020年11月13日
退職は辞めたくなったときにすればいいというものではありません。退職するタイミングによっては、ボーナスがもらえなかったり過剰な引き止めにあったりしてしまうのです。
退職のベストなタイミングや辞める意思表示をいつまでにすればいいのかを確認していきましょう。
退職するベストタイミングとは
代表的な退職するタイミングとしては、以下のようなものがあります。
一般的には12月と3月が退職時期
まず、知っておきたいのは、一般的な退職タイミングは12月か3月であるということです。年末・年度末というキリの良いタイミングであることから、退職のタイミングとして選ばれやすいのだといえるでしょう。
特に、4月から入社してくる新入社員と交代で辞められるということもあり、3月退職は人気です。
もしも、辞める時期にこだわりがないのならば、12月か3月で辞めると良いでしょう。
閑散期に辞める
会社には、忙しい繁忙期が存在します。繁忙期はただでさえ人手が足りない時期です。そのようなタイミングで、戦力となる人に辞められると、会社としてはかなりの痛手になります。
そのため、繁忙期のタイミングで辞めようとすると、過度な引き止めにあったり、会社全体が融通の利かない時期なので有給が消化できなかったりと損をする可能性があるのです。
「忙しい時期をきちんと働いてから辞めるのは、割にあわない!」と感じる人も多いでしょう。しかし、閑散期のタイミングで辞めるほうが自分にとって気持ちよく退職できますし、会社にも迷惑をかけずに済むのでおすすめです。
求人の多い10月・3月に辞める
会社を辞めたあとに、転職活動をする予定ならば、求人の多い10月・3月に辞めるのがおすすめです。
厚生労働省が発表している「月別の職業紹介状況」を確認すると、10月と3月が求人数のピークになっていることがわかります。
この時期の求人は、質が良いものも多いです。転職活動を有利に進めたいならば、たとえ10月3月が繁忙期であっても、この時期に辞めるのがおすすめといえるでしょう。
ボーナスをもらってから辞める
一般的に、7月や12月ごろにボーナスが支給されることが多いはずです。ボーナス支給日の前に辞めてしまうと、もらえるお金が大きく減ってしまい損をしてしまいます。
ですから、ボーナスが支給されてから辞めた方が得です。
ただし、この際に気をつけておきたいのが、ボーナス支給前に退職の意思表示をすると、ボーナスが支給されなくなる可能性が高いということです!
ボーナス支給日の前日に退職日を設定されてしまったり、額を少なくされたりしてしまったりということがよくあります!
確実にボーナスを受け取りたいならば、支給されたあとに退職交渉を行うのがベストです。
退職することを伝えるのは何ヶ月前にするべき?
退職するタイミングが決まったからといって、退職予定の数日前に辞表を出しても良いわけがありませんよね? 法律や社会人の常識の範囲を考えて、きちんと意思表示をする必要があります。法律やマナーを確認しておきましょう。
法律上では2週間前に伝えれば良いことになっている!
労働基準法には、「退職意思をいつまでに伝えるべき」との記述はありません。一方、民法には第627条に退職時の決まりが事細かに記載されていて、辞めたい2週間前に報告しておけば契約を終了することが可能となっているのです。
ただし、1年や3年など、雇用期間が決まっている場合は、労働者から一方的に辞めるとは言い出せないので注意しておきましょう。
就業規則に従って行動する
法律では2週間前に伝えれば良いことになっています。しかし、就業規則に「やめる場合は3ヶ月前までに退職の申請をすること」といったルールが設けられていたとしたら、法律よりも就業規則が優先されます。
民法の2週間前とは、あくまでも会社の規定がない場合の指針に過ぎません。会社の就業規則にしたがって辞めるようにしましょう。
具体的な退職日の決め方
具体的な退職日は、会社の閑散期や転職のタイミングなどを考慮して決めることになります。以下のような方法で決めていきましょう。
会社をやめるまでの4ステップ
退職日の決め方を具体的に確認する前に、退職までに何をしなくてはいけないかの流れをザックリと確認しておきましょう!
「辞めたい」という意思表示をする
まずは、「退職」を考えていることを直属の上司に伝えます。法律では辞める14日前に伝えることになっていますが、人員補充や引き継ぎなどを考えると、少なくとも1ヶ月前までには伝えましょう。
退職に必要な手続きについては、意思表示しようと決める前の段階で調べておいたほうがスムーズです。やはり、退職の話をしはじめてからだとバタつくことが多く、調べている余裕がない場合もあります。こちらの記事で必要な書類や手続き等を詳しくまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。
退職日の決定と退職届の提出
退職の意向を伝えたら、退職日をいつにするかを上司と相談して決めていきます。日取りが決まったら、会社の就業規則通りの退職願・退職届を提出しましょう。
業務を引き継ぐ
退職までの時間を使って、業務内容やプロジェクトの進行状況などを引き継ぎます。取引先があるなら、担当が変わることの挨拶も忘れずにしておきましょう。
退職当日
職場の人へ退職の挨拶をします。社内においてある私物はすべて持ち帰り、会社の制服や備品などは返却します。
基本的には以下の数式で退職日は決定できる
意思表示をしてから退職まで、最低でもかかる期間は以下の数式で算出することができます。
もしも、就業規則に「2か月前には退職の意思表示をする必要がある」とされていて、残っている有給が2週間分あるならば、今から最短で「2ヵ月と3週間後」が退職日になるといえるでしょう。
引き継ぎのボリュームなどで退職日は変わる
基本的には、【就業規則で定められている期間】+【社内承認を得る期間(1週間)】+【残っている有給を消化する期間】を考慮しておけば、適切な退職日を算出することができます。
しかし、今現在やっている業務の担当者が自分しかおらず、引き継ぎのボリュームがかなり多い場合は事情が異なってきます。引き継ぎ途中で仕事を投げ出すと損害賠償を請求されることもあるのです。
引き継ぎ資料やマニュアルの作成、後任への指導などがどれくらいかかるのかをしっかりと想起しておかないとならないのです。
どうしても引き継ぎしたくないときはどうしたらいい?
引き継ぎをしてから辞めるのが一般的とはいえ「後任が決まるまで待ってほしい」と言われてダラダラと退職日を先延ばしにされると困りますね? 転職先が決まっているなら、そちらへ入社する時期なども決めておかなくてはならないでしょう。
もしも、引き継ぎをせずに、すぐにでも辞めたいならば、仕事情報をまとめたファイルやマニュアルを作成しておきましょう。そして、それを手渡しするか郵送するかをすれば、引き継ぎなしですぐに辞めることができます。
マニュアルなどを自分で持っていくのが嫌ならば、退職代行業者に依頼すれば、それらの手続きをやってくれます。ただし、会社の機密情報を託すわけですから、信用できる業者を選んでください。
引き継ぎのマニュアルさえ作ることなく辞めてしまうと、会社に損害が発生する可能性もあります。そして、損害賠償を請求される可能性すらあるのです。最低限必要な仕事マニュアルや顧客情報をまとめておけば、賠償請求の可能性はなくなりますから、実行しておいてください。
どうしても引き継ぎをしたくない場合、すぐに退職したい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。退職代行に引き継ぎを任せることはできるのか、交渉はできるのかを解説しています。
退職日は自分一人では決められない!
退職日を決めるうえで知っておきたいのは、自分の意思のみで退職日は決定できないということです。退職を決意したならば、退職届を出す前に退職交渉を上司とすることになります。
このときに、上司と相談しながら退職日を決めていくことになるのです。もちろん、「このくらいの時期には辞めたいのですが……」と意思表示することはできます。しかし、一方的に「〇月×日に辞めます!」と言い切ってしまうと、身勝手な印象を持たれて話し合いがこじれる可能性があるので注意しましょう。
退職までの期間はゆとりを持たせるのが大切
退職を決めたのならば、一刻も早く辞めたいと考えてしまいがちです。しかし、退職日までの期間が短いと、不測の事態が起きた時にうまく対応できませんし、きちんと引き継ぎができず会社に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
会社を辞めたからといって、元上司や同僚との交流が今後も一切ない! ということはありえませんよね? 「身勝手な人だった」という印象を最後に与えないように、退職日はゆとりを持って設定するようにしましょう!
おわりに:自分や会社の状況を考慮して退職日を決めよう!
退職のタイミングとしては、会社の閑散期やボーナス支給後などがベストです。
ただし、就業規則に退職に関する細かい取り決めがあるならばそれに従わなくてはなりません。また、引き継ぎ内容がかなり多いならば、後任への指導期間なども考慮する必要があるといえるでしょう。
退職の目的や会社のスケジュールなどを踏まえつつ、ベストな退職時期を考えるようにしてください。