ついに開業 東部丘陵線「Linimo」
「愛・地球博」開催・東部丘陵線「Linimo」開業記念 特別連載企画 第6回
今日3月6日、万博開催が間近になった愛知県で新路線が開業しました。名古屋市営地下鉄東山線の終点、藤が丘から愛知環状鉄道の万博八草を結ぶ愛知高速交通東部丘陵線「Linimo(リニモ)」です。まもなく開催される「愛・地球博」へのアクセスとして開業しました。
さて、このリニモは我が国では初めてとなる「磁気浮上式リニアモーターカー」の本格的な実用化となります。今から30年ほど前に開発が始まった「HSST」のシステムによります。
さて、前日より名古屋入りして今日の朝、始発駅の藤が丘に行きました。藤が丘駅は地下構造になります。このリニモ開業を記念したプリペイドカードが発売されていました。
リニモ開業記念 リニモカード(筆者所蔵)
リニモ開業のパンプレットも配布していた(表紙・筆者所蔵)
リニモは3両編成で昼間は6分間隔で運行されます。一旦終点の万博八草まで乗車したのですが、この路線も最近の新路線のご多分にもれず、地下駅の藤が丘以外は高架駅で全駅ホームゲートが設けられているため、ホーム上からの撮影はほとんど絶望的な状況でした。しかし、なんとか撮影できる箇所がありましたので、リニモを撮影しました。
万博会場で万博八草行を撮影 背後は「愛・地球博会場」 2005年3月6日 筆者撮影
陶磁資料館南で万博八草行を撮影 2005年3月6日 筆者撮影
リニモには1編成「日本財団」による「愛・地球博」のラッピング車が存在する
2005年3月6日 万博八草で筆者撮影
リニモに乗車した感想ですが、浮上して走るので走行音はVVVFの音ぐらいで静かでした。また時速100kmで走行するため加速は良く、特に駅で後追いで撮影しようとするとシャッターチャンスが間に合わず、加速の良さを感じました。
東部丘陵線は1992年に答申され、磁気浮上式鉄道として陽の目を見ることとなりました。また「愛・地球博」開催に伴うアクセスという役割も担うことになりました。
しかし、如何せんリニモは3両編成でその輸送力は明らかに少なく、博覧会へのアクセスルートもこの輸送力を懸念してか、名古屋からJR線中央線高蔵寺経由・愛知環状鉄道万博八草乗り換えのルートを推奨しており、万博八草・万博会場とも乗車・降車はホームとともに旅客導線も分けられてはいるのですが、果たして無事博覧会期間中を乗り切ることができるでしょうか?不安に感じました。
東部丘陵線「Linimo」はこうして開業することができました。「HSST」として開発が始まり、1985年の科学万博で初めて出展され当時「夢の乗り物」だったリニアモーターカーは、科学万博から20年を過ぎて実用化にこぎつけました。初めての開発から30年で実用化にこぎつけたリニアモーターカー「HSST」、東部丘陵線での成功により各地で採用される事例が増えていくことに、これからも期待してみようではないでしょうか?
当ブログではこの開業にあたりまして、「リニモ」として陽の目を見た「HSST」の歴史を振り返る記事を連載していました。こちらもあわせてご覧下さい。
東部丘陵線Linimoの祖先(2005年2月20日・第1回)
博覧会に登場したHSST(2005年2月23日・第2回)
続・博覧会に登場したHSST(2005年2月26日・第3回)
鉄道事業法の適用を初めて受けたリニアモーターカー(2005年2月28日・第4回)
本格的に実用化される日を夢見て・・・大江から(2005年3月4日・第5回)