ブログにあまりネガティブなことは書きたくないのですが、けさほど久しぶりにTwitterのタイムラインを見て思うところがあったので記しておきます。私は10年以上使っていた(というより中毒になっていた)Twitterから1年半ほど前に降りました。もう一つフィンランド語の学習用にフィンランド語でしかつぶやかないアカウントは残してありますが、こちらもほぼ放置状態になっています。
そのフィンランド語用アカウントは、基本的にフィンランド語でつぶやいている方しかフォローしていないので、タイムラインはフィンランド語(および英語)のツイートしか流れてきません。それでも画面の右側にあるトレンドには、私の住所情報を反映してか、日本で数多くツイートされているキーワードが並びます。日曜日のきょう、午前中は「サンデーモーニング」というキーワードがトレンドに上がっていました。
このTBS「サンデーモーニング」という番組は、どちらかというといわゆる「リベラル」と呼ばれる立場の方々がコメンテーターで出演されていて、視聴者もだいたいはそういう傾向のお考えを持つ方が多いように認識しています。ところがTwitterのトレンドに出てくるこのキーワードをクリックしてみると、出てくるツイートのほとんどはこの番組に批判的なものばかりです。いえ、批判ともいえない罵詈雑言のたぐいと言ったほうがいいでしょうか(批判と悪口は別物ですから)。
とにかく番組でコメンテーターが何かを話せば即、そのコメントに対して罵詈雑言、悪口雑言、揶揄、嘲笑のツイートが流れるのです。その反応の速さからして、たぶんリアルタイムで番組を見ながら都度ツイートされているのだと思います。嫌いな番組に対して、そこまでの執念というか熱心さはなんなんでしょうね。ご苦労さまなことでございます。あらためて、Twitterというネット空間の不毛さを感じた朝でした。
というわけで早々にTwitterから離脱して、予約していたパーソナルトレーニングのジムに向かいながら、しみじみツイッター中毒になっていた頃を思い出していました。私はTwitterを始めとするSNSのほとんどをやめてしまいましたが、かつての中毒状態からいまのような「毒抜き」ができた段階に至るまでには、けっこうな時間と努力を傾注しました。その際に読み漁った書籍を備忘録的に書き留めておこうと思います。
そもそも、SNSからの「解脱」、あるいはもっと広範なデジタルデトックスを考えるようになったのは、この頃からだったでしょうか。
その後、自らをSNSへと簡単に誘ってしまうスマートフォンそのものへの依存から脱却しようとして、いろいろな本を読みました。
そんななかで、スマートフォンとSNS、それに各種ウェブサイトで作り出される「アテンション・エコノミー」の問題について気付かされ、この方面についてもいろいろと本を読みました。
アンチソーシャルメディア Facebookはいかにして「人をつなぐ」メディアから「分断する」メディアになったか
またSNSがもたらす分断とネット世界への引きこもり、世の中の「ファクト」がどんどん見えなくなってしまうことについても。
ソーシャルメディア解体全書: フェイクニュース・ネット炎上・情報の偏り
私は、SNSが狂騒ともいえるほどの隆盛をほこり、マスメディアやジャーナリズムがその狂騒にすり寄って自らの役割を放棄しかかったこの10年あまりの時代は、どこか非常に歪んだところがあったと総括しています。おそらくこれからTwitterやFacebookなどのSNSは退潮に向かい(Facebookはもう何年も前からそのフェーズに入っていますよね)、あらためて良質なマスメディアやジャーナリズムの存在が再評価されていくのではないか(されていってほしい)と思っています。
誰もが自由に手軽に世界に向かって発信できることは素晴らしいことだけれども、それを上回る害悪があることがわかった以上、引き返すべきーーそう考えているのです。そのための一歩として上掲の書籍が参考になれば幸いです。