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日本心理学会 会員の方
ハラスメント防止に関するガイドライン
本ガイドラインは,日本発達心理学会の「ハラスメント防止に関するガイドライン」,および表象文化論学会の「ハラスメント防止ガイドライン」を参考にして作成されました。両学会で,ガイドラインの策定に携わった方々や,ハラスメント防止に取り組んでいる方々に,心からの謝意を表します。
2021年5月14日
公益社団法人日本心理学会 常務理事会
ハラスメント防止に関するガイドライン
1.目的
日本心理学会(以下,本学会)は,各種ハラスメントの発生を防止することで,本学会員とそれに関係する人々の権利と尊厳を守り,各自が自由で快適で安心できる学会活動や職務に従事できるようにすることを目指し,本ガイドラインを制定する。
2.基本方針
本学会は,学会に関わる人の人権や尊厳を守るために,ハラスメントの発生を予防することに努め,また,学会に関わる人たちは,互いが安心して研究活動や学会活動に参加し従事できる環境を作ることに努める。
3.ハラスメントの定義
ハラスメントとは,研究上や職務上の,当事者間の力関係の非対称を濫用して,本学会員とそれに関係する人々の権利や尊厳を脅かし,公正かつ安全な研究・労働環境を損なう行為や言動を広く指す。下記に列挙するハラスメントの区分は暫定的なものであり,上記の定義に該当するものはすべてハラスメントになる。
- (1)セクシュアル・ハラスメント
セクシュアル・ハラスメントとは,相手方の意に反する性的な発言や行為,また,性別や性的指向,性同一性などに関する発言や行為によって生じるハラスメントである。どのような性別間でも起こりえる。妊娠,出産,育児を理由としたマタニティー・ハラスメントの形をとることもある。 - (2)アカデミック・ハラスメント
アカデミック・ハラスメントとは,教育・研究上の力関係を濫用することによって生じるハラスメントである。 - (3)パワー・ハラスメント
パワー・ハラスメントとは,職務上の優越的な地位や権限,または人間関係などの優位性を利用して行なう言動によって生じるハラスメントである。
4.ハラスメントとなる行為の内容
相手に身体的・精神的・社会的苦痛や傷害,不利益などを与え,相手の人権や尊厳を侵害するすべての言動がハラスメントとなる。
例:
- ・優越的地位を利用して,不適切な言動等により,相手に不利益を与えたり,研究や学会活動のための環境を悪化させる,性的な言動によって相手に不利益や不快感を与える言動。
- ・面と向かってなされた行為だけでなく,電話や手紙,電子メールやSNSなどにおける言動も対象に含まれる。
- ・活動中に知り得た個人情報や噂の流布などの,被害を受ける本人に対して直接なされたものではない行為も対象に含まれる。
- ・問題とされた行為がハラスメントであるか否かを判断する際には,受け手がどのように感じたかが重要になる。
- ・問題とされる言動を加害者の指示に従って加担したりする場合や,それらの言動がされるのを傍観した場合もハラスメントになることがある。
- ・意図的に行った場合だけでなく,意図せずに行った言動,善意や好意のもとに行われた言動が結果的に相手を傷つけてしまった場合もハラスメントとなることがある。
5.防止のための啓発活動
本学会は,ハラスメントの発生を予防するために,ハラスメント防止の啓発活動に努めるとともに,一人一人がハラスメントを起こさない・ハラスメントを容認しない環境作りの啓蒙に取り組む。