宇宙生物ぷりちーぴ 2019年09月
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ss190930俺と隣の吸血鬼さんと泥んこのユニホーム

ss190930俺と隣の吸血鬼さんと泥んこのユニホーム

「朝夕涼しくなったよなぁ」
俺がぽつりとそう言うと
「そうですねぇ、秋ですね。
お昼に少し雨が降りましたけどね」
隣で散歩に付き合わせている吸血鬼さんが
答える。
そう、吸血鬼さん。
ひょんな事から知り合った俺達は、
俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに
家事一切を引き受けてもらっている。
しかも、彼は食事(献血)をすると
目からルビーがでて、その分け前の半分を
俺にくれる太っ腹だ。
おかげで俺は、それまで勤めていたブラック企業と
おさらばして、定時定刻出社退社土日祝日有給全消化の
ホワイト企業に再就職。
しかも、吸血鬼さんの手作り料理でコンビニで命をつなぐ
生活ともさよならして、健康優良児と化している。
もちろん、そっちの方が吸血鬼さんにとっても喜ばしい
事なのでウィンウィンの関係だ。
そして最初に戻る。
「この辺りは緑が多いから散歩に最適ですよね」
「ああ、俺が詩人だったら何か創るんだが
あいにくその手の才能は無いからな」
俺は鼻の頭をかきながらそう答える。
「だったら詩集でも買ったらどうですか」
にこにこしながら答える吸血鬼さん。
「よしてくれよ。柄でもない。3秒で眠れる自信がある」
「ふふ、安眠剤代わりに買ってあげましょうか」
「俺は眠るの早いからいらねぇよ。
と、それよりあそこの公園で子供が一人でなんかしてるぞ」
「本当ですね。この小学生でしょうか。この時間はもう帰った
方がいいですね。声をかけましょう」
そこで俺達は公園の中に入って行った。
その子は独りで一生懸命サッカーの練習をしていた。
俺は声をかける。
「おい、坊主。もう暗くなったから危ない、家に帰れ」
すると少年は顔を上げて
「・・・今日、試合で負けたんだ。
だから駄目だった所を練習しているんだ」
暗くてよく見えなかったが、その子の着ている服は
泥だらけだった。
俺と吸血鬼さんは顔を見合わせた。
「それでも、おうちの人が心配しますよ。
携帯は持っていますか。
一度連絡をいれましょう」
吸血鬼さんが少年に提案する。
「おう、あともう少し練習させてくれって
言ってみろ。
俺達もつきあってやるから」
少年がハッと顔をあげた。
それから俺達は少年の練習に付き合った。
三人とも泥だらけになりながら。
そして、時間が来て別れた。
日はとっくに暮れている。
俺と吸血鬼さんは家への道を歩きながら
顔を見合わせた。
「あの子、将来プロサッカー選手になるかもな」
俺が言う。
「サインもらっておけばよかったですね」
「ああ、本当にそうだな」
「また、散歩しましょう。彼に会いに」
月が燦々と輝く道を進んでいったのだった。


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4コマ190930君の住所はどこ?9

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170930pry

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ss190929俺と隣の吸血鬼さんと招き猫の妖怪と

ss190929俺と隣の吸血鬼さんと招き猫の妖怪と

「ひっく、ただいま~」
今日は会社の飲み会で
しこたま飲んだ俺は気分良く
アパートの自分の部屋のドアを開ける。
するとそこには
「お帰りなさい。お酒臭いですね、
ちょっと酔い覚ましに水を飲んだ方がいいですよ」
と吸血鬼さんが言う。
そう、吸血鬼さん。
ひょんな事から知り合った俺達は、
俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに
家事一切を引き受けてもらっている。
しかも、彼は食事(献血)をすると
目からルビーがでて、その分け前の半分を
俺にくれる太っ腹だ。
おかげで俺は、それまで勤めていたブラック企業と
おさらばして、定時定刻出社退社土日祝日有給全消化の
ホワイト企業に再就職。
しかも、吸血鬼さんの手作り料理でコンビニで命をつなぐ
生活ともさよならして、健康優良児と化している。
もちろん、そっちの方が吸血鬼さんにとっても喜ばしい
事なのでウィンウィンの関係だ。
そして最初に戻る。
「で、その腕に抱き抱えている小汚い招き猫はなんですか」
吸血鬼さんは、ちゃぶ台に水の入ったコップを俺の前に
置いてそう言った。
「ああ、これ?なんか道を歩いていたら、道端にいて
拾ってきた、可愛い猫だろう」
俺が腕に抱えている吸血鬼さんが招き猫という
猫を吸血鬼さんの前につきだすと、
「それは妖怪招き猫で普通の猫ではありません。
さっさと元の場所に反して下さい」
しかし酔っ払っている俺は
「そんな可哀想だよぉ。一晩だけでいいから
泊めてあげようよ。たしか煮干があったよな。
ええとここだ。ほおら煮干だぞぉ」
吸血鬼さんはそんな俺をため息をつきながら見ていたが、
「一晩だけですよ」
と言ったのだった。
そして翌朝ー
「う、うわぁあああ」
俺は絶叫した。
「おはようございます」
吸血鬼さんが平常運転で挨拶をする。
「ま、枕元にネズミの死骸が!」
すると吸血鬼さんがにっこり笑って、
「昨日は酔っていましたからね。
『猫』を拾ったのを覚えていますか?」
「ああ、なんか拾った記憶があるようなないような」
「その『猫』が一宿一飯の恩義で
置いていったんですよ」
「だからって、10匹も置いていく事ないだろう」
「妖怪になった招き猫ですからね、
大サービスですよね。
それ、ちゃんと片付けてくださいね」
妖怪でも招き猫なんだから大判小判にして欲しいと
思う俺だった。

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4コマ190929君の住所はどこ?8

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ss190928:手

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「おばぁちゃん、付き添い代わるよ」
孫娘が声をかける。
長年連れ添った夫は
今は病院のベッドの中だ。
その腕には点滴の管が
つながっている。
「ううん、大丈夫。
昔はこの人の腕はたくましかったのよ」
私は孫娘に言う。
「うん、あたしも覚えてる。
小さい頃、大きな手でなでてくれて
抱っこしてくれたんだよね」
「これが歳をとるということなのよね」
私はつぶやく。
私達はお見合い結婚だった。
写真に映っていた夫は
カチコチに緊張してスーツを着て
かしこまっていた。
結婚式の写真は和装で
この時は二人で緊張していたっけ。
私は夫になるこの人がどんな人なのか
ドキドキしながらカメラの前で
真面目な顔をしていたの。
そして子供が産まれて、
夫はカメラを買ってきて嬉しそうに
赤ん坊の写真を撮っていた。
猛烈サラリーマンで午前様なんて
当り前の生活の中でも
私や子供達の事をきにかけていたっけ。
それからそれから・・・・
過去を振り返っていると
夫が私に手をのばしてきた。
皺だらけのやせ細った腕の先。
「あら、あなた起きたんですか」
私はそっとその手を握りしめる。
長年連れ添った優しい手を。


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4コマ190928君の住所はどこ?7

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ss190927俺と隣の吸血鬼さんとアップルパイ

ss190927俺と隣の吸血鬼さんとアップルパイ

「ああ、気持ちのいい風だなぁ」
秋である。天高く馬肥ゆる秋。
俺はその中を家路についていた。
「ただいまぁ~」
アパートの俺の部屋の扉を開ける。
そこにはお隣に住む吸血鬼さんがいる。
そう、吸血鬼さん。
ひょんな事から知り合った俺達は、
俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに
家事一切を引き受けてもらっている。
しかも、彼は食事(献血)をすると
目からルビーがでて、その分け前の半分を
俺にくれる太っ腹だ。
おかげで俺は、それまで勤めていたブラック企業と
おさらばして、定時定刻出社退社土日祝日有給全消化の
ホワイト企業に再就職。
しかも、吸血鬼さんの手作り料理でコンビニで命をつなぐ
生活ともさよならして、健康優良児と化している。
もちろん、そっちの方が吸血鬼さんにとっても喜ばしい
事なのでウィンウィンの関係だ。
そして最初に戻る。
「吸血鬼さん、どうしたの?電気もつけないで」
そうなのだ。吸血鬼さんがうちのちゃぶだいに
ひじをついてなんだか暗い。
「あ、お帰りなさい。お風呂わいてますから
それからご飯にしましょうか」
「いや、そんなに落ち込まれていると気にかかるから、
何でそんなに落ち込んでいるのか相談室が先だ」
俺がそう言うと、吸血鬼さんはためいきをついて、
「実は、買い物途中で商店街の婦人会の会長さんに
つかまりまして、お裾わけでアップルパイをさしあげたんです。
そうしたらすごく喜ばれて、
婦人会から来週の日曜日の商店街特売で―で、
商店街でお買い物をされたお客さま先着百名様に
アップルパイをプレゼントするイベントをするので
作ってほしいと言われたんです」
「う~ん。いいんじゃないか。大変だけど
吸血鬼さん、料理作るの好きだろ。
ここは人助けだと思って」
「実演販売なんです。それも商店戦隊ショウテンジャーの
ブラックの格好で実演販売してくれって言われて」
「うーん。敵のラスボスより強い商店街婦人会会長の
お願いだから諦めるしかないんじゃないかな」
すると暗い瞳をした吸血鬼さんがふふふと笑って、
「そうですよね。あなたがそう言うだろうと思いましたので、
ショウテンジャーレッドが店員さんをやる事を条件にしました」
「え?レッドって俺じゃん。うわぁ何俺巻きこんでんの
あんまりだぁあああああ」
「二人で仲良くイベントを盛り上げましょうね♪」
こうして俺達二人は、当日、必死になってアップルパイを
配ったのだった。


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4コマ190927君の住所はどこ?6

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190926詩:日記

190926詩:日記

行李の中に入っている
古い日記を火にくべる
「お父さん、何故日記を燃やすの」
すると黙って火をみていた父親は
「俺ももう年だからな
いわゆる終活というやつだ」
そう言って父親は火に日記をくべた。
火は激しく燃え上がった。

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4コマ190926君の住所はどこ?5

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170926pry

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Author:ぷりちーぴ
はじめまして😊
主に俳句を掲載しております。
他ショートショート・4コマ等を掲載しております。

(↑フィクションです。
実在の人物・団体等とは
関係ございません。
また、『SS』とは
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略として用いております)

地球のどこかで暮らす
宇宙生物ちーぴ。

*4コマの記念日はウィキを
参照しております。




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