Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第44回】「外国会社株式等がある場合における法人版事業承継税制のみなし相続時における納税猶予税額の計算」 柴田 健次 – 税務・会計のWeb情報誌『プロフェッションジャーナル(Profession Journal)』|[PROnet|プロネット]
公開日: 2024/07/11 (掲載号:No.577)
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Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第44回】「外国会社株式等がある場合における法人版事業承継税制のみなし相続時における納税猶予税額の計算」

筆者: 柴田 健次

Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第44回】

「外国会社株式等がある場合における
法人版事業承継税制のみなし相続時における納税猶予税額の計算」

 

税理士 柴田 健次

 

前回の設問において先代経営者甲は令和5年10月16日に後継者乙にA社株式40,000株(発行済株式総数の全て)の贈与を行い、法人版事業承継税制(特例措置)に係る贈与税の納税猶予の適用を受け、贈与税の申告を行いましたが、甲は令和6年6月1日に相続が発生しました。

この場合には、特例株式等の価額が相続財産に加算され、相続税の納税猶予の適用を受けることができますが、実際に納付すべき相続税及び猶予される相続税について教えてください。

◆前提事項

■甲の相続人

乙と丙の2名

■甲の相続財産

預金10億円

■遺産分割協議の内容

甲の相続財産は全て丙が相続する。

■A社株式の贈与に係る贈与税の納税猶予税額及び贈与税の納付税額の計算

ステップ1:贈与を受けた全ての財産に対する贈与税の計算

A社株式の贈与時の価額 21,694円 × 40,000株 = 867,760千円

(867,760千円 - 25,000千円)× 20% = 168,552千円

ステップ2:贈与を受けた特例株式等に対する贈与税の納税猶予税額の計算

A社株式の贈与時の価額(除外計算あり) 20,066円 × 40,000株 = 802,640千円

(802,640千円 - 25,000千円)× 20% = 155,528千円(納税猶予税額)

ステップ3:納付税額

168,552千円 - 155,528千円 = 13,024千円

■A社の令和6年6月1日時点における資産及び負債の相続税評価額及び帳簿価額

(※) B社株式は外国会社株式でA社が100%出資している法人となります。

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〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第44回】

「外国会社株式等がある場合における
法人版事業承継税制のみなし相続時における納税猶予税額の計算」

 

税理士 柴田 健次

 

前回の設問において先代経営者甲は令和5年10月16日に後継者乙にA社株式40,000株(発行済株式総数の全て)の贈与を行い、法人版事業承継税制(特例措置)に係る贈与税の納税猶予の適用を受け、贈与税の申告を行いましたが、甲は令和6年6月1日に相続が発生しました。

この場合には、特例株式等の価額が相続財産に加算され、相続税の納税猶予の適用を受けることができますが、実際に納付すべき相続税及び猶予される相続税について教えてください。

◆前提事項

■甲の相続人

乙と丙の2名

■甲の相続財産

預金10億円

■遺産分割協議の内容

甲の相続財産は全て丙が相続する。

■A社株式の贈与に係る贈与税の納税猶予税額及び贈与税の納付税額の計算

ステップ1:贈与を受けた全ての財産に対する贈与税の計算

A社株式の贈与時の価額 21,694円 × 40,000株 = 867,760千円

(867,760千円 - 25,000千円)× 20% = 168,552千円

ステップ2:贈与を受けた特例株式等に対する贈与税の納税猶予税額の計算

A社株式の贈与時の価額(除外計算あり) 20,066円 × 40,000株 = 802,640千円

(802,640千円 - 25,000千円)× 20% = 155,528千円(納税猶予税額)

ステップ3:納付税額

168,552千円 - 155,528千円 = 13,024千円

■A社の令和6年6月1日時点における資産及び負債の相続税評価額及び帳簿価額

(※) B社株式は外国会社株式でA社が100%出資している法人となります。

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連載目次

Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価

連載を収録した単行本が好評発売中!!

【第1回】~【第30回】

【第31回】~

筆者紹介

柴田 健次

(しばた・けんじ)

税理士
柴田健次税理士事務所 所長
東京タックスコンサルティング 代表取締役

相続・事業承継を中心に業務を行っている。

【職歴】
2004年4月 資格の大原 簿記法律専門学校講師就任
2008年1月 税理士法人レガシィに勤務
2014年1月 柴田健次税理士事務所設立

【著書】
第4版 評価明細書ごとに理解する/非上場株式の評価実務』(清文社)
間違いやすい事例から理解する 小規模宅地等の特例適否のポイント』(清文社)
Q&Aでマスターする 事業承継税制の実務』(清文社)

  

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