谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第22回】「国税通則法60条(~63条)・64条」-附帯税(1) 延滞税と利子税- 谷口 勢津夫 – 税務・会計のWeb情報誌『プロフェッションジャーナル(Profession Journal)』|[PROnet|プロネット]
公開日: 2024/01/11 (掲載号:No.551)
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谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第22回】「国税通則法60条(~63条)・64条」-附帯税(1) 延滞税と利子税-

筆者: 谷口 勢津夫

谷口教授と学ぶ

国税通則法構造手続

【第22回】

「国税通則法60条(~63条)・64条」

-附帯税(1) 延滞税と利子税-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

国税通則法60条(延滞税)・64条(利子税)

(延滞税)

第60条 納税者は、次の各号のいずれかに該当するときは、延滞税を納付しなければならない。

一 期限内申告書を提出した場合において、当該申告書の提出により納付すべき国税をその法定納期限までに完納しないとき。

二 期限後申告書若しくは修正申告書を提出し、又は更正若しくは第25条(決定)の規定による決定を受けた場合において、第35条第2項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき国税があるとき。

三 納税の告知を受けた場合において、当該告知により納付すべき国税(第5号に規定する国税、不納付加算税、重加算税及び過怠税を除く。)をその法定納期限後に納付するとき。

四 予定納税に係る所得税をその法定納期限までに完納しないとき。

五 源泉徴収等による国税をその法定納期限までに完納しないとき。

2 延滞税の額は、前項各号に規定する国税の法定納期限(純損失の繰戻し等による還付金額が過大であつたことにより納付すべきこととなつた国税、輸入の許可を受けて保税地域から引き取られる物品に対する消費税等(石油石炭税法第17条第3項(引取りに係る原油等についての石油石炭税の納付等)の規定により納付すべき石油石炭税を除く。)その他政令で定める国税については、政令で定める日。次条第2項第1号において同じ。)の翌日からその国税を完納する日までの期間の日数に応じ、その未納の税額に年14.6パーセントの割合を乗じて計算した額とする。ただし、納期限(延納又は物納の許可の取消しがあつた場合には、その取消しに係る書面が発せられた日。以下この項並びに第63条第1項、第4項及び第5項(納税の猶予等の場合の延滞税の免除)において同じ。)までの期間又は納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、その未納の税額に年7.3パーセントの割合を乗じて計算した額とする。

3 第1項の納税者は、延滞税をその額の計算の基礎となる国税にあわせて納付しなければならない。

4 延滞税は、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする。

(利子税)

第64条 延納若しくは物納又は納税申告書の提出期限の延長に係る国税の納税者は、国税に関する法律の定めるところにより、当該国税にあわせて利子税を納付しなければならない。

2 利子税の額の計算の基礎となる期間は、第60条第2項(延滞税)に規定する期間に算入しない。

3 第60条第4項、第61条第2項(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)、第62条(一部納付が行われた場合の延滞税の額の計算等)並びに前条第2項及び第6項の規定は、利子税について準用する。この場合において、第61条第2項中「前項の規定にかかわらず、前条第2項に規定する期間から次に掲げる期間(特定修正申告書の提出又は特定更正により納付すべき国税その他の政令で定める国税にあつては、第1号に掲げる期間に限る。)」とあるのは、「利子税の額の計算の基礎となる期間から当該期限内申告書又は期限後申告書の提出により納付すべき税額の納付があつた日(その日が第64条第1項(利子税)の提出期限前である場合には、当該提出期限)の翌日から法定申告期限までの期間」と読み替えるものとする。

 

1 附帯税の意義と種類

附帯税とは、「国税のうち延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税」(税通2条4号)をいい、これらの租税は国税通則法第6章(60条~69条)に規定されている。

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国税通則法構造手続

【第22回】

「国税通則法60条(~63条)・64条」

-附帯税(1) 延滞税と利子税-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

国税通則法60条(延滞税)・64条(利子税)

(延滞税)

第60条 納税者は、次の各号のいずれかに該当するときは、延滞税を納付しなければならない。

一 期限内申告書を提出した場合において、当該申告書の提出により納付すべき国税をその法定納期限までに完納しないとき。

二 期限後申告書若しくは修正申告書を提出し、又は更正若しくは第25条(決定)の規定による決定を受けた場合において、第35条第2項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき国税があるとき。

三 納税の告知を受けた場合において、当該告知により納付すべき国税(第5号に規定する国税、不納付加算税、重加算税及び過怠税を除く。)をその法定納期限後に納付するとき。

四 予定納税に係る所得税をその法定納期限までに完納しないとき。

五 源泉徴収等による国税をその法定納期限までに完納しないとき。

2 延滞税の額は、前項各号に規定する国税の法定納期限(純損失の繰戻し等による還付金額が過大であつたことにより納付すべきこととなつた国税、輸入の許可を受けて保税地域から引き取られる物品に対する消費税等(石油石炭税法第17条第3項(引取りに係る原油等についての石油石炭税の納付等)の規定により納付すべき石油石炭税を除く。)その他政令で定める国税については、政令で定める日。次条第2項第1号において同じ。)の翌日からその国税を完納する日までの期間の日数に応じ、その未納の税額に年14.6パーセントの割合を乗じて計算した額とする。ただし、納期限(延納又は物納の許可の取消しがあつた場合には、その取消しに係る書面が発せられた日。以下この項並びに第63条第1項、第4項及び第5項(納税の猶予等の場合の延滞税の免除)において同じ。)までの期間又は納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、その未納の税額に年7.3パーセントの割合を乗じて計算した額とする。

3 第1項の納税者は、延滞税をその額の計算の基礎となる国税にあわせて納付しなければならない。

4 延滞税は、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする。

(利子税)

第64条 延納若しくは物納又は納税申告書の提出期限の延長に係る国税の納税者は、国税に関する法律の定めるところにより、当該国税にあわせて利子税を納付しなければならない。

2 利子税の額の計算の基礎となる期間は、第60条第2項(延滞税)に規定する期間に算入しない。

3 第60条第4項、第61条第2項(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)、第62条(一部納付が行われた場合の延滞税の額の計算等)並びに前条第2項及び第6項の規定は、利子税について準用する。この場合において、第61条第2項中「前項の規定にかかわらず、前条第2項に規定する期間から次に掲げる期間(特定修正申告書の提出又は特定更正により納付すべき国税その他の政令で定める国税にあつては、第1号に掲げる期間に限る。)」とあるのは、「利子税の額の計算の基礎となる期間から当該期限内申告書又は期限後申告書の提出により納付すべき税額の納付があつた日(その日が第64条第1項(利子税)の提出期限前である場合には、当該提出期限)の翌日から法定申告期限までの期間」と読み替えるものとする。

 

1 附帯税の意義と種類

附帯税とは、「国税のうち延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税」(税通2条4号)をいい、これらの租税は国税通則法第6章(60条~69条)に規定されている。

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連載目次

谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」

筆者紹介

谷口 勢津夫

(たにぐち・せつお)

大阪学院大学法学部教授

1956年高知県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学。甲南大学法学部教授、大阪大学大学院高等司法研究科教授を経て2022年4月より現職。大阪大学名誉教授。ほかに大阪大学大学院高等司法研究科長・大阪大学法務室長、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員(Forschungsstipendiat der Alexander von Humboldt-Stiftung)・ミュンヘン大学客員研究員、日本税法学会理事長、租税法学会理事、IFA(International Fiscal Association)日本支部理事、資産評価政策学会理事、司法試験考査委員、公認会計士試験試験委員、独立行政法人造幣局契約監視委員会委員・委員長、大阪府収用委員会委員・会長、大阪府行政不服審査会委員・会長、公益財団法人日本税務研究センター評議員・同「日税研究賞」選考委員、公益財団法人納税協会連合会「税に関する論文」選考委員、公益社団法人商事法務研究会「商事法務研究会賞」審査委員、近畿税理士会・近畿税務研究センター顧問など(一部現職。ほか歴任)。

主要著書は『租税条約論』(清文社・1999年)、『租税回避論』(清文社・2014年)、『租税回避研究の展開と課題〔清永敬次先生謝恩論文集〕』(共著・ミネルヴァ書房・2015年)、『税法の基礎理論』(清文社・2021年)、『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)、『基礎から学べる租税法〔第3版〕』(共著・弘文堂・2022年)、『税法創造論』(清文社・2022年)、『税法基本判例Ⅰ』(清文社、2023年)など。
 
  

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