酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第137回】「消費税法における「課税仕入れの日」(その1)」
いずれにしても、消費税とはどうも「消費」のタイミングで課税されているようではなさそうである。単に、代金を支払ったときをいうのであろうか、あるいは商品なりの引渡しを受けたときをいうのであろうか。売買契約締結の日をもって、消費税の課税のタイミングを考えるべきなのであろうか。
谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第34回】「国税通則法84条(81条~83条・85条・86条)」-再調査の請求の審理・決定手続-
今回は、再調査の請求について、審理・決定手続を中心に、検討を行うことにするが、その前に、不服申立ての種類を原則として審査請求に一元化した平成26年行政不服審査法改正の考え方(不服申立種類の原則一元化)に対して、国税通則法がその例外として再調査の請求を定めている理由をみておこう(行審5条1項本文参照)。
国際課税レポート 【第11回】「米国大統領令とOECD国際課税合意のゆくえ」
1月20日に第47代アメリカ合衆国大統領に返り咲いたドナルド・トランプ氏は、「OECDの国際課税合意について」と題する大統領令に署名した。
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第6回】「自社ポイントを他社運営の共通ポイントへ交換した場合の取扱い」
当社では、顧客へ付与した自社ポイントを、ポイント運営事業者が運営する共通ポイントに交換できるサービスを提供することになりました。この場合、ポイント交換に係る消費税の取扱いについて教えてください。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第51回】「〔第5表〕法人が店舗と駐車場を賃借している場合の借地権等の計上」
経営者甲(令和7年2月15日相続開始)が100%保有している甲株式会社の株式を長男である乙が相続していますが、甲株式会社は第三者であるA、B、C及びDからそれぞれA土地、B土地、C土地及びD土地を賃借しています。
土地賃貸借契約の内容及び相続開始年における土地の自用地としての相続税評価金額は、下記の通りとなります。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第67回】「少数株主や非上場株式買取業者から譲渡等承認請求を受けた場合」
私の周りでもM&Aの話を見聞きする機会が増えてきましたし、最近では新聞広告やインターネット上で非上場株式を高値で売却できると謳う広告を目にする機会が増えたように感じています。私が知らないだけで、少数株主でも株式が高値で売れてしまう方法があるのではないかと心配になります。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第61回】
平成19年度税制改正において、「受益権を表示する証券を発行する旨の定めのある信託」については、受益者が信託財産に属する資産を有するものとみなすのは実態に合致しないため、一義的な所得の帰属主体である受託者に対し、各事業年度の所得に対する法人税を課税することとされた。
monthly TAX views -No.144-「「在老」緩和と公的年金等控除の見直し」-連動する年金改正と税制改正-
今年の通常国会は、予算、税制改正法の成立が終われば、年金改正の議論に移る。厚生労働省が与党に示した案では、パートが厚生年金に加入する要件の見直し(106万円の壁の撤廃など)や高所得者の厚生年金の保険料引上げ等に加えて、在職者老齢年金制度(以下「在老」)の基準の引上げも含まれている。
〔令和7年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第1回】「賃上げ促進税制の強化」
令和6年度税制改正における改正事項を中心として、令和7年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。本連載では、その中でも主なものを解説する。
【第1回】は、「賃上げ促進税制の強化」について解説する。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例71】「自己破産した債務者に対する債権の損金算入時期」
さて、そのような中、新たな頭痛の種となっているのが、先週から受けている税務調査です。今回は、個人向けの貸金の中に、自己破産した債務者(故人)のものがあり、当該債務者に相続人がいないことから、債務者が死亡した時点で損金処理したところ、調査官がそれは認められないと主張しているというものです。調査官は、故人が自己破産したのは死亡する2期前の事業年度であり、その時点で直ちに貸倒損失に係る損金算入をすべきところ、死亡した事業年度まで損金算入を繰り延べたのは、利益調整のためであると決めつけています。債務者の自己破産の時点では貸倒損失が確定したとはいえず、死亡時点においてそれが確定し損金算入するのが妥当と考えますが、税法の観点からはどのように考えるべきなのでしょうか、教えてください。