就職活動もタイパ重視?「Z世代」のココロを動かす採用ブランディング3つのポイント | PR TALK by talentbook
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[ワンキャリア×talentbook]就職活動もタイパ重視?「Z世代」のココロを動かす採用ブランディング3つのポイント

2023年7月13日(木)13:00にワンキャリア社と共催した「就職活動もタイパ重視?『Z世代』のココロを動かす採用ブランディング3つのポイント」より、学生のリアルな声と最新のデータから紐解く新卒市場と、今から取り組むべき採用ブランディングについてご紹介します。

INDEX

情報が溢れる時代に生まれ、多くのチャネルの中から有益な情報を選択することが当たり前のZ世代。

より少ない時間で効率的に情報を得る「タイパ」に重きを置く世代だと言われています。自身のキャリア形成において「失敗したくない」「時間を無駄にしたくない」と考える彼らは、就職活動の情報収集にも「タイパ」を重視するようになりました。

※タイパ…タイムパフォーマンスの略。かけた時間に対する満足度を表す言葉。

学生のキャリア観だけでなく就職活動のスタイルも年々変化していく中、企業に求められているのは採用手法のアップデートです。しかし、自社の認知度を上げ、学生へ魅力付けができなければ、どんなに新しい取り組みを行っても成果を出すことはできません。

そこで今回、新卒採用メディアONE CAREERを運営するワンキャリア様をお招きして、学生のリアルな声と最新のデータをもとに、新卒市場の現状と今から取り組むべき採用ブランディングについてお届けしました。

QAセッションが延長になるほど、視聴者様からのご質問も多かった本セミナー。今回はその内容を一部抜粋してお伝えいたします。

新卒市場の現状と企業が抱えている課題

PR Table 白水(以下、白水):新卒採用市場における大卒の有効求人倍率は、コロナ禍前までは1.88倍と非常に高い倍率を記録していましたが、コロナ禍以降は採用人数の縮小や採用活動の停止により、一時的に1.5倍まで低下しました。

しかし直近の24卒では1.7倍まで上昇しており、また高い水準に戻りつつあります。今後も、有効求人倍率は高い状態で推移していくことが予想されます。

白水:25卒のトピックの一つとして、三省合意の改定でインターンシップのルールが変更となり、大きく4つのタイプに分類されました。

汎用的能力・専門活用型インターンシップと高度専門型インターンシップに関しては、インターンシップで取得した学生情報を、3月1日以降の採用活動で活用することが初めて可能となりました。今後のインターンシップの取組みは、引き続き非常に活性化してくるのではと捉えています。

白水:2023年の夏季インターンシップ実施予定の状況を見てみると、全体で見ても7割近い企業が実施予定と回答しています。こちらは6~7年前と比較しても倍近い水準となっており、採用活動においてインターンシップはスタンダードな施策であることの裏付けになっています。

どのタイプのインターンシップを実施予定かでいくと、オープン・カンパニーの実施率は6割を越えるという結果となりました。オープン・カンパニーでは低学年層の受け入れも可能なので、インターンシップ以外での接点として積極的に導入する企業は間違いなく増えていくんじゃないでしょうか。

白水:学生における業界・企業を絞り込む動きは非常に強くなってきており、インターンシップを選ぶ基準も、「絞り込み」が焦点となっています。これが5年ほど前であれば、「自分のキャリア観を広げたいから」や「自分に適している業界・職種を見極めたいから」という、もう少し広い理由でインターンシップへ参加する学生が大半でした。

選考参加社数も、5社以下の割合が半数以上を占めています。インターンシップを中心に、まずは業界・企業をピックアップし、そこから優先度が高い企業にエントリーをして、選考に進むという動きになっています。

白水:これからの採用活動において、「応募」前のフェーズで、いかに低学年を含めて認知を取っていけるかが採用成功の可否を分けるポイントです。

早期に認知を取り、先行優位性を得ながら、そこで学生に業界・企業・業務内容を理解してもらいます。そして、理解を深めた学生が応募につながり、そこから歩留まりのKPI改善へつなげることが非常に大事な考え方になると思います。

また、ただ早く認知を取るというだけではなく、採用要件定義もしっかりと固めて、中長期的に会社の成長に寄与する人材をいかに戦略的に採用していくかも大事な要素になります。

マーケティング思考を用いながら、早期認知獲得の施策、かつペルソナを意識した採用戦略を立てることで、入社後の早期戦力化や活躍というところにつながるのではないかと考えております。

Z世代のキャリア観の変化と動向

ワンキャリア 富永 氏(以下、富永):こちらは、就職活動の動向調査となります。 よく耳に挟む話ではあるかと思いますが、現在は転職を前提に就職活動をしている学生が年々増えてきている状況です。

これまでは定年まで働く「就社」という意識が強かったと思うのですが、現在は「自分でキャリアをつくる」ことが、学生の思考の一つになっていると思っています。

新卒採用において、企業としては入社してもらいたいという思いが一番最初にあるかと思います。しかし、その先の定着や活躍を見据えるのであれば、入社後の具体的なキャリアパスを学生へ伝えることも、大切な要素となります。

富永:実際にワンキャリアに寄せられた口コミにも、有利に転職できることや、次の転職を見据えたスキルアップを目的にファーストキャリアを選んだというコメントが寄せられています。
ファーストキャリアの選択において、どんなキャリアパスが歩めるのか、どのようなスキルが身につくのかを重要視するようになったことは、学生の思考として大きく変化した部分となります。

富永:こちらは24卒・25卒の学生が「企業選びで重視すること」のアンケート結果となります。

24卒・25卒ともに「なりたい職種」が軸にありますが、25卒の学生に関しては「給料が高い」や「自身の成長の期待」の割合が高くなっています。

「給料が高い」というのは、安定性を求めていたり、最初に就職する企業で給料が高いところを選んで、転職しながら段々と給料を上げていくという考えを持っていたりするのかもしれません。また「自分の成長が期待できる」については、これから先のキャリアについて、すでに意識しているということが考えられます。

富永:これらの内容を踏まえると、転職前提である学生はファーストキャリアで絶対に失敗したくないという意識があるということがうかがえます。なので、学校の先輩や身近な人からの評判やSNSの口コミの評価など、自身の評価だけでなく、他者が深堀った情報や評価も選択の基準に入ってきています。

企業として、自社のミッションへの共感やこういう思考を持っている学生に来てほしいという思いがあるように、学生も自身にマッチしているのかというところは、事前に入念に情報収集をして選択するようになっていると思います。

Z世代のココロを動かす採用ブランディングのポイント

ポイント1:テキスト、動画の2軸でコンテンツをストック

富永:まず前提として、発信力を高める4つの主体を意識することが重要になってきます。

主体を四象限に切り分けてみると、「We(企業)」・「I(自社に帰属意識のある社員)」・「It(メディアに取り上げられるなど、第三者機関)」・「He/She(アムルナイ・就活生・取引先の担当者など、I以外の第三者)」に分類されます。

それぞれ主語によってやるべきことが違っているのですが、今回は特に「We」「I」の内側からの発信についてお話していきます。

富永:まず「We」の発信は、企業ホームページでの情報発信や自社開催の説明会などが挙げられます。こちらは定期的に改良されている企業も多いのではないでしょうか。

富永:ただ、Z世代の傾向として「タイパ」を重視するという特徴があります。「タイパ」とはタイムパフォーマンスの略称で、彼らはあまり時間をかけずにコンテンツを大量に視聴・閲覧して情報を吸収していく傾向があります。

なので、1つのコンテンツにかける時間は非常に短く、なんと8秒で良し悪しを判断するというデータが出ています。また、マルチタスクに長けており、PCとスマホの画面を同時に開いて異なるコンテンツを見たり、倍速で見たりする世代です。

採用担当者にとって、膨大な情報量の中から取捨選択している学生に対して、自社の印象をどれだけ残せるか、魅力をどう訴求するかを意識することが重要になってくると思います。

富永:25卒のアンケートでは、約8割が「就職活動に動画を活用したい」と回答しています。企業のホームページやナビサイトでは、募集要件などを都度見に行く必要があるのに対して、動画は質の高い情報を一つのコンテンツで一度に吸収できるという良さがあるので、そこが学生に刺さるポイントなのではと思っています。

富永:動画や記事広告で情報を取りまとめて発信しストックしていくことで、一度に欲しい情報をまとめて知ることができる点は、タイムパフォーマンスを意識している学生にとって刺さりやすい内容になるかと思います。

白水:動画のコンテンツというのは、ワンキャリアの会員の学生にも結構見られているんですか?

富永:そうですね、当社ではYouTubeとアプリでオンライン企業説明会を配信しており、多くの学生さんに視聴いただいています。

そもそもの部分にはなるのですが、今は情報が溢れている時代なので、学生も何を見るか取捨選択をしなければならない状況です。偶発的に見たり、検索して見たり、色々な方法があると思いますが、こういう時代だからこそ、学生の目に触れる接点数というのは増やしていかなければいけないと思っています。

補足すると、学生が企業に対して持っているイメージって漠然としているかと思うんです。なので、ただ会社概要を伝えるだけではなく、具体的にどんな魅力があるのかや、競合他社との差分について、自社の社員の口でお伝えするというところが、より見られている理由なのかなと思います。

白水:なるほど。企業からすると、学生が抱いている企業イメージとのギャップを埋めていく点でも、このような動画コンテンツは効果的ということですね。

富永:おっしゃる通りで、学生から見えている部分だけの情報では、実態はあまり最初からは分からないと思うんですよね。なので、学生から見えていない部分をあえてコンテンツ化することで、しっかりインパクトを残せるという効果があります。

富永:動画でもテキストでも、コンテンツの内容はブラッシュアップすることが大切です。ここでは、説明会動画に対して寄せられた実際の口コミと、それをどのように分析に活用しているかをお伝えします。

例えば、「激務のイメージがあったが労働環境が改善していることがわかった」に対して、「業界に対するネガティブなイメージがある」と分析します。その対応としては「認識のギャップを埋める必要がある」となります。

こういったフィードバックや口コミをしっかりと拾い上げて、その後の情報発信に活かしていくことが、より良いコンテンツにするために効果的だと思っています。

ポイント2:「I(働く人)」メッセージの発信で企業のカルチャーを届ける

富永:ここからはポイントの2つ目、「I(働く人)」のメッセージ発信で企業のカルチャーを届けることについてお伝えいたします。

「I」の発信は、例えば現場社員との座談会や社員を主語にしているコンテンツを指しています。企業によっては、人事の方がお一人でこういう施策をまわされていることも多いかと思いますが、現場社員をどれだけ巻き込むかというところも、ここでは大切になってきます。

富永:なぜかというと、Z世代の内定承諾理由は「社風・人」がダントツで多くなっているからです。冒頭にお伝えした、最初の企業選びの軸は給与面や成長軸でしたが、最終的な決め手になるのは、やはり「社風・人」となっています

富永:また、企業の社風・カルチャー理解で参考にするものとして、実は人事担当者の話よりも、現場社員の話や社員同士の関わり合いの様子が一番見られているということが分かっています。現場社員、つまり「I」からの発信というのは、大きく選考に影響するということです。

ポイント3:潜在層・低学年層に向けた情報発信

白水:前述のとおり、今の採用マーケット環境を踏まえたときに、応募の手前でいかに認知を取っていくかが非常にポイントになってきます。加えて、学生の情報収集の手法が変化してきているので、認知してもらうにもいかに日常の情報接点に入り込んでいくかが大事です。

例えば、ビジネスメディアなどを活用しながら認知を取った学生に対して、業界や企業、業務内容についてや、今後のビジョン・目標などを具体的に伝えていくことで、事前の動機形成を図れます。また、コンテンツに具体的なエピソードを交えながら、1to1のコミュニケーションでファンになってもらうような段階的な施策も必要になるかと思います。

白水:潜在層・低学年層に向けた情報発信の戦略の一つとして、「トリプルメディア戦略」というものがあります。

オウンドメディアは、自社のコーポレートサイトや採用サイトを指しています。アーンドメディアは、SNSやビジネスサイトなどです。最後に、ペイドメディアは就活サイトや就活メディアを指しています。

コンテンツも充実していて、立派なホームページをお持ちの企業は多いと思いますが、学生がサイト訪問しないことには伝えたいことも伝えられないので、ナビサイトなどを活用して、しっかりと情報を露出していくことが大切です。

また、サイトへ来てくれる学生は顕在層になるので、潜在層・低学年層を意識するとなると、先ほどもお伝えしたとおり、SNSやビジネスメディアを活用して学生の日常に入り込んでいく必要があります。

この3つのサイクルを意識して、認知策を早急的にかつ広くとっていきながら、自社のコンテンツで動機形成を図っていくことが非常に重要になってきます。


※他のイベントのアーカイブ動画は以下からダウンロード可能です。

■登壇者プロフィール

富永 果歩
株式会社ワンキャリア コンサルティングセールス事業部

大阪生まれ、大阪育ち。2015年に大学を卒業後、新卒で銀行に入行し資産運用商品の営業に従事。その後、2022年にワンキャリアに参画。現在はコンサルティングセールス事業部で中小企業を中心に新卒領域における採用支援に取り組んでいる。

白水 彰一
株式会社PR Table セールス・カスタマーサクセス部

新卒で大手人材広告会社に入社し、入社後は一貫して 業界・規模問わず数多くの企業様の新卒採用戦略に携わる。2023年1月にPR Tableへ参画し、セールスとして採用ブランディング施策に従事。

イベント開催日時:2023年7月13日(木)13:00~ オンラインにて実施