2022年2月8日
バンダイナムコの2022年3月期 第3四半期決算短信が発表されました。
期間としては、2022年10月~12月の結果です。
IR・投資家情報|株式会社バンダイナムコホールディングス
プリキュア、2021年3Qの
トイホビー売り上げは 7億円でした。(昨対63.3%)
1Qから3Qまでの合計も37億。
昨年同期44億の84.1%となっています。
数字的にはこうなります。
(グラフ)
(年度別トイホビー(4月~翌3月)売上)
企業の決算に基づいた集計です。
(トイホビー売り上げは、玩具の他、アパレル、食玩、文具、生活用品等を含みます)
(作品別 トイホビー(1~12月)売上げ)
作品の放送期間に合わせて1~12月で集計したものです。(公式な集計ではありません)
(この作品別ってのはプリキュアの放送期間に合わせて1~12月で再集計したものです。公式な集計ではありません)
数字だけのもの
(年度別)
(作品別)
(思う事)
トロプリ3Q(10~12月)のトイホビー売り上げは7億円でした。
これは3Qとして、集計取り始めてからもっとも低い数値となっています。
1桁(7億)になってしまったのは2回目、2014年の3Q(9億)以来、2度目となっています。
1Qから3Qまでの合計としても過去最低の数字(37億)となっています。
もちろん、アニメーション自体の人気とバンダイの売り上げはほとんど関係はありません。(多少はあるかもですが、大きくは社会情勢などの外的な環境に左右されていると思われます)
これはやはり引き続き、新型コロナ禍の影響が高いものと思われます。
コロナ禍の影響なのか、主力玩具「マーメイドアクアポッド」が夏以降に市場から姿を消したりと、
この辺りはキッズコスメ「PrttyHolicシリーズ」が絶好調というアナウンスがずっとあっただけに、ちょっと残念ではあります。
ただ、プリキュア以外のIPの動向を見ると、一概にコロナ禍の影響だけでもない事がわかります。
2020,2021年年上半期(4~9月)のバンダイナムコ主要IPの売り上げ比較はこうなっています。
(赤字は昨年より落ちたもの、黒字は昨年よりも上がったものです)
これを見ると、バンダイの主要コンテンツで2021年の3Qまでで、昨年よりも下げているのはニチアサ3作品(ライダー、戦隊、プリキュア)のみなのですよね。
ウルトラマンは新規IP放送による好調で昨対192%、そのほかもだいたい10%増が続く中、ニチアサ3作品のみが昨対割れを起こしているのです。
今年は昨年の様な新型コロナ禍の影響による「再放送」などがあったわけでもなく、テレビ放送と玩具の連動は取れていたはずです。それでもニチアサ3作品が昨年割れを起こしているのは何故なのでしょうか。
「ドラゴンボール」や「ワンピース」はアプリによる安定した収益の様ですし、「ガンダム」はTV放送に依存しなくてもガンプラ、ホビーが売れている様ですね。
要は、ニチアサの様な
「TV放送と連動して、玩具を売るビジネス」がここ数年うまく機能していない様です。
(前回も書いたものですが、再掲します)
玩具業界紙トイジャーナルで2021年1月号で、バンダイの代表取締役 川口勝氏は、「定番IPの苦戦」に関してこんな事を言っています。
本誌 定番IPの苦戦に関しては従来型のキャラクターマーチャンダイジングが通用しなくなってきているということもあるのではないでしょうか?
川口 コロナ禍の影響なのか従来からの戦略の全体的なパワーダウンなのかは難しいところですが、番組が休止している中で、子供たちがどうやってIPの情報に触れたのかを考えるとタッチポイントも従来とはかなり変化してきていると思います。
TV放送だけをやればすべてうまくいくという時代はなくなってきており、色々と工夫をしないといけないでしょうし、これまでと同じことをやっていれば同じような売り上げがついてくるという状況ではないと思っています。
バンダイ 代表取締役 川口勝氏
月刊トイジャーナル(東京玩具人形協同組合)2021年1月号(P25,26)
バンダイサイドとしても「定番IP」は
「TV放送だけをやればすべてうまくいくという時代はない」
と認識していて、様々な施策を行っていく様です。
プリキュアシリーズは2022年「デリシャスパーティ♡プリキュア」よりTV放送だけではなく、各種見放題配信サービスによる見逃し配信を開始しました。
プリキュアシリーズ初となる見放題配信サービスでの見逃し配信解禁が決定しました。
地上波にて放送終了後の毎週水曜日より、最新話を下記見放題サービスにて配信します。
この機会にぜひ「デリシャスパーティ♡プリキュア」をお楽しみください!
この見逃し配信サービスがプリキュアの売り上げ復活につながってくれると良いですね。
また、バンダイの玩具としても、デパプリでは4,378円(税込み)の比較的高価格帯の妖精キャラを3人を玩具としてラインナップしたり、
前年好調だったキッズコスメ「Pretty Holic」も継続し、その新規ラインとして実際に食べられるお菓子「Pretty Holic Sweets」も展開を始めました。
東映アニメーションもバンダイも様々な施策を施しプリキュアを盛り上げていこうとしています。
デリシャスパーティ♡プリキュアは開始から大好評な様です。
この先もデリシャスパーティ♡プリキュアが盛り上がると良いですね。
(おわり)