【#4】コミュニティを作る。/〈苗目〉代表・井上隆太郎 | POPEYE Web | ポパイウェブ

TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#4】コミュニティを作る。

執筆:井上隆太郎

2024年12月2日

こんにちは。苗目井上です。農家です。

何度も書いているけれど、私たちのVISIONは、「耕作放棄地をなくすこと」、「美しい景観を守り、作ること」です。

その思いの中、畑を耕し里山に手を入れています。
とはいえさすがに自分たちだけでやっても本当にわずかな土地でしかないです(現在約10,000坪といえど、まだまだ荒れた土地だらけだし今後も増えていきます)。

そう考えたときに私たちの考えに賛同し、「よし俺も、私も家の裏山を綺麗にしよう」とか、「先祖が残した畑をやってみよう」とか、そんな話が広がるといいなと考え、コミュニティ作りにも力を入れています。

まず、管理している農地についていた古民家を改装したカフェと直売所。そしてその店先に広がる畑をシェアファームとして、都内の企業や個人の方と一緒に畑作業をしています。

畑では、無農薬無化学肥料で、固定種や在来種を一緒に作っています。レストランの方、企業の方、個人の方もそれぞれ月に一回鴨川に来て一緒に汗を流し、敷地内での採取をしたりしながら情報交換をします。

直売所では、地域の農産物、ジビエや加工品の販売。苗目の商品も販売しています。

そしてもう1箇所。2024年春には、その先の未来を考えて、子ども達が自由に遊べる農園、農地公園Soil to Soul FARMPARKを開園しました。

農村地域には自然は残っていますが、公園がありません。
子ども達が自然に触れることができる場所も、自由に走れる場所も、移住者の大人たちは、おしゃべりする場所もなかったのです。

学ぶというよりただ自然のなかで人々が集まりおしゃべりして、自由に過ごすことができるそんな場所を目指しています。

子ども達が自由に、動植物と触れ合い、実っている木のみを食べて、野菜を収穫し、ハーブに触れる。ただそれだけの場所ではあるけれど、ルールもなく、お金もかからないそんな公園のような農場を作りました。

シェアファームやカフェに来てくれる大人達が、畑や自然に興味を持って、行動して、さらには公園で遊んでいる子ども達も将来自然が大切だということに気づくきっかけになって欲しいと思っています。

私たち苗目は、これからも自然と共に、畑を耕して、里山を再生し、森に入り、たくさんの人が自然に興味を持つきっかけになるようなイベントや場所作りをしていきます。

ぜひ鴨川に遊びに来てください。

プロフィール

井上隆太郎

いのうえ・りゅうたろう|〈苗目〉代表。1976年、東京都生まれ。園芸商社バイヤー、パーティやイベントへの生け込み装飾や造園を経て、鴨川へ移住。その後はエディブルフラワーやハーブを無農薬・無化学肥料で栽培する傍ら、里山の再生やカフェ運営、公園の開園などの自然に近いコミュニティ作りに取り組む。

Instagram
https://www.instagram.com/naemekamogawa/

Official Website
https://naeme.farm/

公園について。公園の寄付サイト
https://soiltosoul.jp/

https://soiltosoul.jp/sts/donation

https://soiltosoul.jp/farmpark/kamogawa