こんにちは、パオロの部屋です。本日のお客様は、日本人客のマナーの悪さに耐えかねて日本人お断りにした石垣島のラーメン屋に批判の電話をかけたひとです。ようこそ。さっそくですが、批判した理由をお聞かせいただけます?
「日本人客がすべてマナーが悪いわけじゃないでしょ。だから日本人を一律で締め出すのはよくない」
まあ、それでわざわざ電話をおかけになって……。ずいぶんヒマなんですのね。あなた、お仕事はなにされてるの?
「オレのことは関係ないでしょ。それより、中途半端に徹子の口ぶりをマネするのやめて」
やめます。日本では賃貸物件を外国人と老人には貸さないことにしてる大家がたくさんいますけど、それもやっぱり一律で締め出してます。部屋を壊したり近所迷惑をかけたりする外国人と老人は一部にすぎないのに、全員に部屋を貸さないってのはよくないですね。そういう大家にも批判の電話をかけましたか?
「かけてませんけど」
では、社会の公平性と正義を守るため、外国人や老人というだけの条件で賃貸物件を貸さないことを禁じる法律を作り、違反した大家に懲役刑を科すのはどうでしょう。あなたなら賛成してくれますよね。
「そこまでは……だって部屋は大事なものだから、大家には客を選ぶ権利があるんじゃないの。それを法律で縛ったら、部屋を貸すひとがいなくなってしまう」
おや? ずいぶんと大家には同情的ですね。ラーメン屋にはあんなにキビしかったのに。なるほど、あなたの考えでは、ラーメン屋ごときが客を選ぶのは許されないが、不動産のオーナーである上級国民の大家には客を選ぶ権利があると。あなたは職業差別・階級差別を容認するのですね、それがあなたの正義ですね。あなたはレイシストですね。
「うるせえな! 気に食わないなら、他の部屋を借りればいいじゃねえか!」
そう! 私がいいたいのは、まさにそれなんですよ! 島にある飲食店はそのラーメン屋だけじゃないんでしょ? ラーメン屋に入店を断られたら、べつのラーメン屋か飲食店に行けばいいだけの話です。私だったらそうします。苦情の電話をかけるなんて、時間と電話代のムダでしかないでしょ。バカらしいと思いません?
「……」
現実のよのなかには、一律な条件で客を規制してる例はけっこうありますよ。いちげんさんお断りとか、会員制みたいな店があるけど、その存在は黙認されてるじゃないですか。それはなぜですか?
外国人や老人に一律に部屋を貸さない大家の存在も厳密にいえば差別なのに、黙認されてるのはなぜなのか、わかりますか?
「さあ?」
それは客が他の店や部屋を選ぶことができるからです。外国人や老人に部屋を貸す大家も存在するからです。まさにさっきいったように、べつの部屋を借りるという選択ができるなら、貸さない大家が損をする可能性がある。だから黙認されるわけです。もしも、外国人や老人が部屋を借りることが非常に困難になったら、そのときは差別を禁じる法律が必要になるでしょうね。
ラーメン屋だって同じです。島にある飲食店がその一軒だというなら、客を選ぶことは許されません。仮に、島全体の飲食店が結託して、すべて日本人お断りとしたら、それも問題です。
件のラーメン屋は、断った客が他の店に行って自分が損をすることを承知の上でやってるわけです。客が店を選ぶ自由も尊重しています。ですから、店主の日本人お断りというやりかたは、黙認されるべきです。むしろ、売上が減るのを覚悟の上でやってるのだから、まさにあれは日本人が大好きな「自己責任」じゃないですか。
「自己責任か! オレは三度の飯より自己責任が好きだ! 彼はなんて立派な店主なんだ!」
あ、放送時間がなくなってきました。またお会いしましょう。
「ルールル ルルル ルールル」
歌わなくていいです。
[ 2019/07/17 20:01 ]
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