2017年02月反社会学講座ブログ
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ゲスの極み土地取引

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。前回のブログからだいぶ間が空いてしまいましたけど、とくに体調が悪いわけでもなく、いろいろやることがあっただけです。ゲス不倫もゲス出家もしていません。
 ちまたでは、政府が旗振ってプレミアムフライデーなんてのがはじまりました。各地でいろんなサービスが提供されてたようですね。大阪では国有地が9割引きで大安売りされたり……あれはちがうんですか。プレミアムフライデーではないの?
 あんなゲス土地取引を、なんと学校法人がやってたんだから驚きです。しかもこの学校は、教育勅語による道徳教育をウリにしているというんだけど、法律に反しなければズルやインチキをやっても許されるとする考えは、道徳ではありませんよね。きっとこどもたちを悪徳弁護士に育てたいのでしょう。
 この土地取引については国会でも取りあげられて、安倍さんと麻生さんは「政治家による不当な介入はない」といってニタニタ笑うゲス答弁をしてましたけど、私は「不当な介入」って表現が繰り返されることに、なんか引っかかるんです。
 本当に無関係だったら、「介入は一切なかった」とキッパリいえばいいじゃない。なのにわざわざ「不当な介入はなかった」と含みを残してるんで、へえ、不当な介入はなかったけど、不当でない介入はあったんだ、とゲスな私は勘ぐってしまいます。
 「ゲス不倫はしていません」という発言は、不倫そのものをしていないといいたいのか。はたまた、不倫はしてるんだけど、それはゲス不倫ではなく純愛なのだといいわけしたいだけなのか。どちらにも解釈できます。それと同じ理屈で、「不当な介入はない」は、介入がなかったといいたいのか、介入はあったけど不当とは考えていないといいわけしたいだけなのか。
 不当でない介入なんてあるのか? 言葉尻を捉えてるだけでは、といわれそうですが、たくさんあると思いますよ。不当かどうかは、証拠がなければ証明できません。むしろ、不当であることを証明することのほうがむずかしいのでは。現に、証拠書類が破棄されてるそうですし。
 こどもたちよ、よのなかには不倫よりもゲスなことがたくさんあるのです。
[ 2017/02/26 23:58 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)

ウソつき大統領のドキュメンタリー

 こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。
 11月18日のブログ記事で、トランプ大統領の誕生によってTPPと道徳教育は終了するだろうと予告しました。TPPは風前のともしびですし、トランプの不道徳な言動はとどまるところを知りません。
 私がトランプを嫌うのは、まちがった情報を垂れ流す大ウソつきだからです。情報というものは、正しいものにしか価値はありません。日米の貿易についても、事実と異なる情報をもとに日本を一方的に批判してきましたよね。
 アメリカ国内の犯罪が増えているのは不法移民のせいだ、ともいってます。でも、BS朝日の番組で町山智浩さんは、不法移民は増加してるのに、アメリカ国内の犯罪はずっと減少傾向にあるといってました。トランプは根も葉もないデマを流して犯罪被害に遭うかもしれないと恐怖を煽り、それを移民のせいにするという悪質なウソを重ねています。国のトップが冤罪を奨励してるようなものです。まあ、犯罪が減ってるのに増えてると不安を煽る人がいるのは、日本も同じですけども。

 1991年にアメリカで製作されたものの、トランプから訴訟を起こすと脅されてお蔵入りになっていたテレビドキュメンタリーが先日、NHKBSで放送されました。そこで披露されたエピソードの山には呆れるばかり。

 長年使われずにいたニューヨーク市のスケートリンクを再生する事業をトランプが請け負った。だが下請け業者には、これはボランティア事業だからとウソをつき、工事代金を一切支払わずタダ働きをさせた。工事費用はトランプが独り占め。

 トランプタワーの建設工事には、ポーランドなどからの不法移民を使っていた。しかも正規の賃金の3分の1の賃金で。

 トランプタワー建設時に、その一室をイギリスの皇太子が購入予定だとするフェイク記事を新聞に書かせた。

 トランプタワーは58階建てなのに、68階建てだと意味不明のミエを張ったことで消防署ともめた。

 ゴルバチョフが訪米した際、トランプタワーに立ち寄ることになっているとフェイク記事を新聞に書かせたが、実際にはそんな訪問予定はなかった。

 自分の名前を出したくない怪しい取引や訴訟でいつも使っていた偽名が「バロン」。

 日本人のなかにも「優秀なビジネスマンとしてのトランプ氏の手腕に期待する」なんて楽観的なことをいう人がいますけど、その人は、トランプのビジネスがズルとハッタリと恐喝によって成り立っていたことをご存じないのでしょうね。
 そのトランプも、アトランティックシティーでのカジノ経営では巨額の損失を出しました。トランプでさえ失敗したのに、カジノは儲かると夢見てる日本の政治家たちって……。


[ 2017/02/05 23:35 ] 未分類 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

Author:パオロ・マッツァリーノ
イタリア生まれの日本文化史研究家、戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。

パオロの著作
つっこみ力

読むワイドショー

思考の憑きもの

サラリーマン生態100年史

偽善のトリセツ

歴史の「普通」ってなんですか?

世間を渡る読書術

会社苦いかしょっぱいか

みんなの道徳解体新書

日本人のための怒りかた講座

エラい人にはウソがある

昔はよかった病

日本文化史

偽善のすすめ

13歳からの反社会学(文庫)

ザ・世のなか力

怒る!日本文化論

日本列島プチ改造論(文庫)

パオロ・マッツァリーノの日本史漫談

コドモダマシ(文庫)

13歳からの反社会学

続・反社会学講座(文庫)

日本列島プチ改造論

コドモダマシ

反社会学講座(文庫)

つっこみ力

反社会学の不埒な研究報告